国立国際医療研究センター係長、収賄容疑で逮捕

 警視庁は、「国立国際医療研究センター」(東京都)の30代の係長を収賄容疑で逮捕したと発表した。同時に贈賄容疑で、先に発覚した国立病院機構をめぐる汚職で贈賄側となった「小松電器」(千葉県船橋市)社長も逮捕されており、当初の通り疑獄事件の様相を呈し始めている。

約380万円分の収賄容疑、現金や旅行の接待を受ける

 逮捕されたのは「国立国際医療研究センター」総務課調達企画室係長、笠井崇一郎容疑者(39)。2019年3月から2021年11月にかけ、小松電器に対し物品の調達契約で便宜を図った見返りに、現金や旅行の接待など合わせておよそ380万円分の賄賂を受け取っていたという。贈賄側として小松電器社長の松丸隆行容疑者(43)も逮捕されている。笠井容疑者にはそのほか、他社の見積価格や一般競争入札の予定価格の情報を漏らした疑いもかけられている。

 収賄側として逮捕された松丸容疑者は、さきに国立病院機構下志津病院(千葉県四街道市)が発注する設備工事で、同病院元企画課長だった安彦(あびこ)昌人被告(60、収賄罪で起訴)に飲食や旅行の接待を行い便宜を得たとして5月に逮捕、今月1日に起訴されており、事実上の「再逮捕」となる。警視庁によると、笠井、松丸両容疑者と安彦被告が一緒に旅行したこともあったという。

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