カージナルスの背番号57が20年ぶりに復活 2002年にエース急死

日本時間6月4日、カージナルスの有望株左腕ザック・トンプソンがメジャー初昇格を果たし、敵地リグリー・フィールドで行われたカブス戦でメジャーデビュー。4イニングを3安打1失点に抑え、メジャー初セーブを記録した。そのトンプソンが背負った背番号は57。この背番号は2002年6月22日(現地時間)に当時のエース、ダリル・カイルが急死して以降20年近くにわたって空き番となっていた。カイルが急死したシカゴの地で2019年ドラフト1巡目指名の左腕が背番号57を受け継いだのだ。

現在24歳のトンプソンは2019年のドラフト1巡目(全体19位)指名を受けてケンタッキー大学からカージナルスに入団。今季はAAA級メンフィスで10試合に先発して44回1/3を投げ、2勝2敗、防御率4.67、56奪三振をマーク。特別優秀な成績ではないものの、先発左腕のスティーブン・マッツが故障者リストに登録され、救援左腕のT・J・マクファーランドとヘネシス・カブレラが登板過多という状況のため、カージナルスは左腕を補充するためにトンプソンの昇格を決めた。

カイルの背番号57を受け継ぐことについて「とても謙虚な気持ちです」と語ったトンプソン。「特にこのリグリー・フィールドで背番号57のユニフォームを着ると特別な気持ちになると思います。大きな意味があることだと思っています。この背番号に恥じないように頑張っていきたいです」と意気込みを口にした。

そして、トンプソンは今季カージナルスでメジャーデビューした9人目の選手となり、これはメジャー全体で今季最多の数字。カージナルスの投手がデビュー戦で4イニングを投げてセーブを挙げるのは約65年ぶりのことだった(1957年8月3日のビリー・マフェット以来。ただし、セーブが公式記録になったのは1969年である)。

両親が見守るなかでメジャーデビューを果たしたトンプソン。オリバー・マーモル監督は「彼は左から97マイルを投げることができる。それに磨きをかけて、しっかりストライクを投げられるのであれば、先発かリリーフかに関わらず、我々は強力な左腕を手にすることができる」と語り、2019年ドラ1左腕のさらなる成長に期待を寄せた。

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