鎌倉の材木座公会堂、大規模改修へ 関東大震災に耐えた登録文化財

大規模改修が行われる材木座公会堂=鎌倉市材木座4丁目

 大正期の建築で、99年前の関東大震災の激震に耐えた「材木座公会堂」(鎌倉市材木座4丁目)が今月から大規模改修工事に入る。2年前に国の登録有形文化財となった貴重な建物で、地元の自治会は今後も地域のシンボルとして役立てていく考えだ。改修のプロジェクトリーダーを務める小野健次郎さん(74)は「完成当時の地域住民の思いを引き継ぎながら、建物を保存、活用していきたい」と新たな歴史に期待を寄せる。

 公会堂は木造2階建ての寄棟造(よせむねづくり)。総床面積は約118平方メートルで、九品寺のあるバス通りに面した敷地に建つ。10畳間が3室連なる1階が集会室として使われている。小野さんは「近年でも年間700件の利用があり、稼働率は高い」と、地域を結ぶ役割の大きさを強調する。

 耐震補強を中心とした大規模改修では約2600万円を投じ、トイレを2カ所に増やすほか、外壁を板張りにする。「柱や梁(はり)、建具などはそのまま残すので、雰囲気は今とそれほど変わらない」と小野さん。年内の完成を目指している。

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