【やまぐち深発見紀行】 No.244「小鯖・棯畑に自生するノハナショウブ」

▲開花時期を迎えた棯畑の自生地(2022年5月22日撮影)

 アヤメ科の多年草で初夏に花を咲かせるハナショウブ。山口市内に野生種が自生する場所がある。

 菖蒲園などで様々な品種が鑑賞できるハナショウブは、野生種のノハナショウブが改良されて誕生した。

 山口市棯畑の山中、標高約380メートルの湿地帯にノハナショウブが自生している場所がある。約1500平方メートルにわたって群生し、5月から6月にかけて見ごろを迎える。ノハナショウブの花弁は通常、赤紫色が一般的だが、ここの花は桃、白、黄、紫などがあり、変種の形態もみられて学術的に貴重な品種とされている。

 1969年に県天然記念物に指定され、フェンスで囲われているが、外からの鑑賞は自由にできる。

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