ラニーニャ現象発生中 夏の前半にかけても続く可能性高い 秋は平常の状態か

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測(出典:気象庁ホームページ)

 気象庁は10日(金)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年秋からラニーニャ現象が続いており、夏の前半にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高い(70%)。

 その後、秋にかけて ラニーニャ現象が続く可能性もある(40%)が、平常の状態になる可能性の方がより高い(60%)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率(出典:気象庁ホームページ)

 5月のエルニーニョ監視海域における海面水温の基準値からの差は-1.0℃で、基準値より低い値だった。

 大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が今後はやや上昇し、秋にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測している。

 実況で太平洋赤道域の西部に見られる海洋表層の暖水は引き続き東進し、東部の海面水温を一時的にやや上昇させるとみられる。

 以上のことから、今後、夏の前半にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く(70%)、その後、秋にかけてラニーニャ現象が続く可能性もある(40%)が、平常の状態になる可能性の方がより高い(60%)。

■エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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