地滑り復興の先輩に聞く 糸魚川市来海沢の住民 板倉区国川を訪問

 昨年3月発生した地滑りから農地などの復興を目指す糸魚川市来海沢の住民が13日、10年前に地滑り被害に遭い、農地や景観の復興を行った板倉区国川を訪れ、町内会長らと懇談した。来海沢の住民は懇談の内容を自らの復興計画に役立てる考え。

10年前に地滑りが発生した斜面を見学する来海沢の住民ら

 来海沢の住民は国川地滑りの現場を訪れ、植樹された斜面や作物を育てることができる場所を見学。現町内会長の見波正美さん、当時町内会長をしていた野澤隆明さんから、地滑りから復興に至るまでの一連の経過を聞いた。
 見波さんによると、国川地滑りの後、町内会は斜面の緑化に取り組むため、山林所有者との間で20年間の借地権を設定。その後全世代を対象にした緑化事業を行ってきたことを紹介した。また復興でできた農地を使い、組合をつくってカボチャやソバを栽培したことも報告した。
 地滑り発生から復興が一段落するまで町内会長を務めた野澤さんは「我欲を出し始めると、物事が前へ進まなくなる。みんなで協力してやっていくことが大切だと思う」と語った。
 来海沢の神喰重信区長は「自分たちも被災地の緑化を進めていきたいので、話は参考になった」と話していた。

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