釜蓋遺跡の南側部分の追加指定を答申 国史跡「斐太遺跡群」 国の文化審議会

 国の文化審議会(佐藤信会長)は17日、上越、妙高両市の国史跡「斐太遺跡群」のうち釜蓋遺跡(上越市大和5)の南側部分を追加指定するよう国に答申した。答申後の官報告示をもって正式決定する。

 斐太遺跡群は弥生時代中期中葉から古墳時代前期にかけて形成された、高田平野の拠点的集落跡。長期間存続し玉造りが行われた吹上遺跡(上越市稲荷)、高地性環濠(かんごう)集落の斐太遺跡(妙高市宮内)、環濠集落の釜蓋遺跡の3遺跡で構成されている。斐太遺跡は昭和52年に国の史跡に指定されており、平成20年に吹上、釜蓋両遺跡を追加して現在の名称に変更された。

 今回追加された部分は令和2、3年度に上越市教育委員会が調査した範囲で面積は1854平方メートル。既に史跡に指定されている範囲と同時期の竪穴建物や土坑(どこう)、溝などが発見され、さらに既指定地では確認されていない時期の大型竪穴建物跡なども見つかっている。

 同市教育委員会によると、今回の追加指定範囲によって遺跡がさらに南に広がっていたことが確認され、集落の変遷を知る上でも重要な発見になったという。

上空から見た釜蓋遺跡。赤線内が追加指定地、青線内が既指定地(上越市教育委員会提供)

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