小田急電鉄(東京都)は7月1日から、商業施設「湘南T─SITE」(神奈川県藤沢市)で2千円以上買い物した客を対象に、施設と周辺駅を結ぶ路線バスの無料チケットを配布する。施設を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(東京都)と連携する。
同施設は、JR藤沢駅や辻堂駅からバスなどで10分ほどの距離。これまでも土日・祝日に、藤沢駅との間を約20往復する無料のコミュニティーバスを施設側が運行していたが、平日のサービス向上や環境負荷低減のため、既存の路線バスの活用を決めた。コミュニティーバスは10月末で廃止する。
無料チケットの対象は、小田急グループの神奈中バスと江ノ電バスの路線。施設周辺のバス停と2駅を結ぶ往復運行本数は平日で計約100本、土日・祝日は計約70本となる。
小田急の次世代移動サービス「MaaS(マース)」のアプリ「EMot(エモット)」を活用し、レシートを施設の受付カウンターで提示すれば、帰りのバスと次回来場時(1カ月以内)に使えるデジタルチケットが発券される。運賃は施設側が負担するという。
小田急の担当者は「グループの交通網と次世代モビリティーツールを有効活用し、環境負荷の低減と地域の課題解決に努めたい」と話している。