「地域に根差した責任政党」として課題解決に取り組む 自由民主党富山県支部連合会インタビュー(PR)

「地域に根差した責任政党」としてローカルな視点で人々の暮らしに密着した課題から、安全保障・農業・貿易交渉といったグローバルな視点での課題解決に取り組む自由民主党富山県支部連合会(以下、自民党富山県連)。今回は自民党富山県連の野上浩太郎会長、奥野詠子政務調査会長、安達孝彦青年局長の3人に自民党富山県連の特色ある取り組みについてお話を聞きました。

国の「基」を守るため、安全保障・農林水産・経済の各分野で政策実現を進める 野上浩太郎・自民党富山県連会長

選挙ドットコム編集部(以下、選挙ドットコム):国際情勢が緊迫していく中で、政権与党としてどのような対応を取るべきだと考えていますか?

野上浩太郎・自民党富山県連会長(以下、野上会長)

この度のロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて許すことはできません。国際社会が一致団結をして、厳しい制裁措置を続けていくべきです。

この暴挙は、欧州のみならずアジアを含む世界の秩序・平和に対する挑戦です。

日本も我が事として捉えて対応していかなくてはなりません。現在、北朝鮮は相次いでミサイル発射を行い、中国も軍事力を拡大していますので、日本としてもしっかりと防衛力を強化していく必要があります。

政府の骨太の方針では「5年以内に防衛力を抜本的に強化する」ということが明記されましたので、政権与党として着実に進めてまいります。

また、防衛力を強化すると同時に毅然とした外交を展開していくことも重要です。

日本は「自由で開かれたインド太平洋」構想という考え方を掲げて外交を展開しています。

自由・民主主義・人権・法の支配といった普遍的な価値やルールに基づいて外交をし、国際秩序の維持・発展をさせていく、という考え方です。

2016年に安倍首相がアフリカ開発会議で表明した構想で、このイニシアチブが国際的な流れを作っています。こうした流れの中には、日米豪印によるQUADという枠組みもあります。あるいはASEAN諸国、ヨーロッパ諸国、更には太平洋の島しょ国といった国々と協力していくことが重要です。

現在のロシア・ウクライナの問題で、紛争当事国が安保理常任理事国である場合は国連が機能しなくなってしまうということが明らかになったので、自由で開かれたインド太平洋構想に基づく外交をしっかりと進めてまいります。

選挙ドットコム:農林水産大臣を務められた立場として、農林水産政策の分野で取組んできた課題、実現したことはどのようなものがありますか?

野上会長:昨年の秋まで384日にわたって農林水産大臣を務めてまいりました。農林水産業は国の「基」であります。

大臣として、農林水産業を発展させ、美しく豊かな農山漁村を守っていきたい、という思いで全力で務めさせていただきました。

在任期間はコロナとの戦いの一年でもあり、災害が多い一年でした。

大雪による被害、夏には熱海の土石流災害、九州北部豪雨も発生しました。また、鳥インフルエンザ、豚熱といった家畜伝染病も蔓延するということもあり、緊急的な対応を要する一年で、大変緊張感を持って取り組みました。

一方で、未来につながる様々な取組も進めております。

例えば、農林水産物・食品の輸出の促進に取り組みました。

今後日本の人口が減少していく一方で、世界の人口は増大し、マーケットは拡大していきます。そこに日本の高品質でおいしい農林水産物・食品を輸出していくことは非常に重要です。

日本の農林水産物・食品はおいしく、高品質で世界から高く評価されています。これまで農林水産物・食品の輸出額は年間約9000億円で推移してきましたが、昨年は初めて1兆円を突破し、1兆2385億円まで伸ばすことができました。この伸びはコロナ禍にあっても輸出先の国のニーズにあった産品を「マーケット・イン」することができたからだといえます。

輸出を更に伸ばしていくために、「2030年には輸出額5兆円」を目標に輸出拡大計画を作成しました。目標の達成には様々な支援策が必要ですが、私の在任中に法案の作成を指示し、今国会で法律を成立させることができました。

富山県でもこれに呼応して、「5年間で輸出額を10倍にする」という目標を立てられています。富山県もお米や日本酒など、大変おいしい産品がありますので大きな可能性があると考えています。

内閣官房副長官の経験が農林水産大臣としての貿易交渉に生かされた

選挙ドットコム:農林水産物の輸出を進めるにあたって他国との貿易交渉にも臨んでこられたとお聞きしました。

野上会長:輸出推進のためには輸出相手国の規制撤廃を求め、交渉を進めていかなくてはなりません。

昨年は東日本大震災から10年目という節目の年であり、規制の撤廃に向けて精力的に交渉に臨みました。その結果、アメリカでの規制の全面撤廃やEUでも大幅緩和、という大きな成果を得られました。

交渉にあたって活きたのは、内閣官房副長官を3年あまり務めさせていただいた経験です。当時の安倍総理に同行しながら、世界各国のべ40か国を訪問し国内外で各国の首脳、要人との会談に400回以上同席しました。

その際に、首脳間でどのような交渉をして信頼関係を作り、結果を出すのかを目の当たりにしたことが、農林水産大臣として交渉に臨むにあたっても大きな糧だったと思います。

また、農林水産大臣として、持続可能な食料システムの構築のために「みどりの食料システム戦略」を作りました。

現在、地球温暖化や災害の激甚化といった世界的課題、国内では生産者の方の高齢化や減少が進む中で、今後は持続可能な地域や環境、将来世代にとって優しい食料システムを作っていかなければならないという中長期的な視点と危機感を持ってこの戦略を策定しました。

有機農業の拡大や、化学農薬や化学肥料の低減の目標、CO2ゼロエミッション化に向けた取り組み等、様々な計画からこの戦略は成ります。

目標を実現させるには、それを推進する枠組みや支援策が必要ですので、それを進める法案の作成を指示し、今国会で成立しています。

国際情勢の緊迫を受け、食料安全保障が大きな国家的課題になっています。

思い切った食料安全保障予算を確保しながら、食料の安全保障の確保に取り組んでいかなくてはならないと思います。物価高騰や、食料供給を輸入に依存している状況がありますので、食料安全保障の確保は今後の大きな課題だと考えています。

選挙ドットコム:最後に、経済の視点から考える今後取り組んでいくべき課題にはどのようなものがあるのかお聞かせください。

野上会長

コロナ禍や国際情勢を背景に、原油価格・原材料・食料・生活物資の価格が上昇したことを受けて、「原油価格・物価高騰総合緊急対策」を4月に決定しました。

この対策の決定で、原油価格は欧米諸国よりも2割程度低く抑えられ、物価上昇も米国など主要国と比べると4分の1程度に収まっていますが、今後更に強力な原油高・物価高対策を進める必要があります。

また、中小・小規模事業者の皆様への対応も非常に重要です。原材料価格などが高騰しているため、事業者の皆様が原材料費の上昇分を適切に価格に転嫁できるような対策を進めなくてはなりません

内閣官房副長官を務めていた際に、中小企業・小規模事業者の皆様の活力向上のための関係省庁による連絡会議があり、議長を務めておりました。連絡会議では下請取引の価格の適正化等を進めていましたが、その取り組みとも関連してこの度の価格転嫁の対策も大変重要だと捉えています。

防災・減災・国土強靭化は急務

温暖化が進み、災害が激甚化している中で、防災・減災・国土強靭化を進めていかなくてはなりません。

国土交通副大臣を務めていたときも、農林水産大臣としても継続して取り組んできた課題です。

富山でいうと立山砂防や利賀ダム、急峻な河川が多いので河川整備などを進めるということです。現在、5か年計画を進めておりますが、更なる取り組みが引き続き必要です。

道路については北陸自動車道の4車線化を進めていますし、富山県を東西に貫く国道8号線の整備も必要です。更には大沢野・富山南道路等の道路整備、北陸新幹線の大阪までの延伸も重要な課題です。

そういった安心・安全の基盤の上に立って、どうやって人口減少や東京への過度な一極集中を是正して地方創生を進めていくのかが重要な課題だと思っています。

安心安全の基盤を作りながら、「人」「デジタル」「グリーン」の視点で地方創生を

現在「デジタル田園都市国家構想」を打ち出しています。まず5Gや光ファイバーなどのデジタル基盤を整備した上で、ギガスクールなどの教育のDX、遠隔医療など、地域の課題解決に向けてどのように取り組んでいくのかが重要です。あるいはドローン物流とか自動運転、MAAS、スマート農林水産業等も進んでいますので、後押ししていきたいと考えています。

富山県での産学官連携の取組みには「とやまアルミコンソーシアム」「とやまヘルスケアコンソーシアム」といったものがあり、スタートアップエコシステムのような新たな動きを後押ししていく体制を構築するのも重要です。これからも地方創生を全力で推進してまいります。

ボトムアップ型の政党として地域の方々の意見・要望に組織として向き合う体制作り 奥野詠子・自民党富山県連政務調査会長

選挙ドットコム:自民党富山県連では地域の方々や業界団体の方々からの意見に対して新たな体制で臨んでいるとお聞きしました。

奥野詠子・自民党富山県連政務調査会長(以下、奥野政調会長):自民党富山県連には富山県内の各地域に34の地域支部があります。また、自民党富山県連の政策を取りまとめる機関である政務調査会には5つの政策グループ、「部会」があります。地域支部は市町村合併前の自治体単位に根差した単位の組織で、部会は私たち自民党が普段からお付き合いのある65の団体・機関の皆様との窓口として様々なご意見・ご要望をいただいています。

自民党富山県連が34の地域支部、65の団体の皆様からいただくご意見・ご要望は年間のべ2000件にも上ります。

のべ1万件の要望・意見を整理しデータ化。組織として課題に取り組めるように

年間に2000件のご意見・ご要望をいただいておりますと、その中でも積み残しになってしまっている課題や、毎年お寄せいただいているものもありました。そのため昨年から、この2000件のご意見を過去5年間・合計約1万件をさかのぼり、ご要望いただいてからどれだけ実現できているのか・どれだけ積み残しになっているのかをきちんとデータ化した上で自民党富山県連の組織として共有する、ということを新たに始めました

選挙ドットコム:要望や意見をデータ化して組織として共有するようにして、どのようなことがプラスになったと考えていますでしょうか?

奥野政調会長:自民党富山県連のメンバーが選挙のたびに入れ替わることは当然想定されることですし、5つの部会のメンバーにも入れ替わりがあります。各議員が取り組みたいこととは別で自民党富山県連の政務調査会は動いているため、メンバーの入れ替わりなどで担当が変わってしまったら、そのご意見や要望に過去どのような経緯があったのかなど、連続した時間軸でとらえることがこれまではできていませんでした。

しかし、昨年から全てデータベース化して組織の共通認識として残すことで、担当者が誰になろうとも自民党富山県連にお寄せいただいた要望を、これまでの経緯や現状を含めて受け継ぐことができるようになった、というのが最も大きなメリットだと思います。

個人としても、自分が担当した要望であれば「以前から聞いているな、何度か要望いただいているな」ということがわかるのですが、分野をまたぐとそれが新しいものなのか、これまで何度かいただいているものなのかがわかりかねる面がありました。データベース化することで私たち自身も要望や課題を改めて整理できるようになったのも大きなポイントです。

地域支部、地域の方たち、業界団体の方たちと課題に対する共通の認識を作ることができた

奥野政調会長:私たちの側の担当者が変わっても、地域の方、団体の方は同じ方が担当を続けているということもあります。そのため、課題や要望の経緯を整理して、地域や団体の方と状況を共有しコミュニケーションをとることでこそ皆さんとの丁寧な信頼関係を築くことにつながります。

私たちにとっては2000件の要望の一つでも、お寄せいただく方にとっては切実な悩みに基づく大きな1つの要望です。相手の方の気持ちや想いをどれだけ丁寧に受け止め、担当が変わったときにもどれだけ丁寧に引き継ぎができているのかが、組織に対する信頼につながると思っています。

受け取った要望を更に深化させ、どう改善するか提案をしていきたい

選挙ドットコム:今後の取り組みについてお聞かせください。

奥野政調会長:政務調査会は自民党富山県連の政策を取りまとめる機関です。数多くの要望を一つでも多く実現するのも大きな目標ですが、その背景にある問題を根本から改善するためにどうするべきか政策を練ることも大切な役目です。

また、県議会の一員として行政側とのカウンターパートという自負もございます。

富山県において自民党は大多数を担わせていただいておりますので、行政と対等な議論をし、有効な提案をすることこそが私たちの存在意義だと思っています。

皆さんからいただいた要望を更に深化させ、仕組みとしてどう改善するべきか、という提案をしていきたいと思っています。

ボトムアップ型の責任政党として地域密着、皆様とのつながりを大切にしながら課題に今後も向き合ってまいります。

今後を担う若い世代の声を取り入れ、富山の政治に新しい人の循環を 安達孝彦青年局長

選挙ドットコム:自民党富山県連では「政策コンテスト」をこれまで10回開催しているとお聞きしました。どのような背景で取り組んでいるのでしょうか?

安達孝彦・自民党富山県連青年局長(以下、安達青年局長)

「政策コンテスト」という形で若い人の意見や想いを発表していただいて、少しでも吸い上げ、政策に活かしていきたいという思いで始めました。

地方の自民党の組織、というとそれだけで怖くて近寄りがたいような、お年寄りの声が強く若い人とはかけ離れた政党をイメージされるかもしれません。

しかし、ただでさえ若い人の声が政治に届きにくい中で、声を吸い上げるシステムがないのは先細ってしまうだろう、と思いこの政策コンテストを10年ほど前から毎年開催しています。

選挙ドットコム:「政策コンテスト」ではどんな発表がされてきたのでしょうか?

安達青年局長:1回目の政策コンテストの「不妊治療」に関する発表が一番印象に残っていますね。

今でこそ不妊治療の保険適用などサポートが手厚くなっていますが、10年前の当時不妊治療の重要性を発表したあの提案は、そのまま議会に持っていっても通用するような本当に先進的な内容でした。

また、最近の政策コンテストでは学校の先生への初任者研修の中で「ゼロ年目教育」に更に注力するべきだ、という発表もありました。

教員の成り手不足が昨今深刻な問題となっている中で、その発表者のご自身も、教員を目指し実際に先生になれたのにもかかわらず学校教育の実務の大変さで教員を辞めた、という経験のある方でしたので、実体験に基づいた課題の深刻さが伝わってくる発表でした。

政治に若い人が増えることで活気が出る。それがまた次の新たな取り組みにつながっていく

選挙ドットコム:この政策コンテストの取り組みで得られたこととしてどんなものがあるでしょうか?

安達青年局長:政策コンテストとほぼ同時期に、自民党富山県連では20~40代の政治を志す人、青年局で党活動に関わっている人に政治についての勉強をしていただく機会を提供する「政治学校」という取り組みを始めました。

政治学校での勉強をインプットの場として、政策コンテストでアウトプットするという二つの連動もあり、政治学校の卒業生で議員になっている方が富山県内に現在十数名いらっしゃいます。

県内各地で30~40代の若手議員が出てくるきっかけがこの政治学校と政策コンテストだったのではないかな、と思っています。

年配の方が多い自民党のイメージとは違い、今の自民党富山県連はどんどん若い議員さんが増えています。

東京や大阪ですと、例えば都民ファーストの会や維新の方々が年配の方を追い出すような形で当選して議会の年齢が若返っている面があるかと思いますが、

富山のように自民党が大多数を占める地域でも、政策コンテストや政治学校といった新たな取り組みを通じて若い人にどんどん加わっていただいています。

自民党を応援していただいている方には年配の方も多いので、全ての若い人の意見を吸い上げられるという状況ではないのですが、近い世代の議員がいれば少しでも気軽に悩みを共有していただけるのではないかと思いますし、右から左まで、年配の方から若者まで、幅広く受け入れられるような組織ができあがりつつあると感じています。

選挙ドットコム:今後どのようなことに取り組んでいきたいと思っていますか?

安達青年局長:政策コンテストはどちらかというと個人としての意見や考えを聞かせていただくという面がありますが、今取り組んでいることで更に進めていきたいのは、私たちが関わりのある団体や職種の方々の中でも特に30~40代の方の声を聞く意見交換会です。

業界団体の中でも年配の会長さん・副会長さんといった方々のみならず、若い世代の声もお聞きして議会活動や政策に活かしたいと考えています。

それによって横のつながりやパイプができることで自民党の組織もより強固になると思いますので、これからも若い方々との意見交換会を進めていきたいと考えています。

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