電力需給逼迫受け節電要請 独自対策講じる企業 努力に限界も 揚げ物をタイムセールス

ノジマでは、一部展示品の電源を消すなどして節電に努めている=横浜市西区

 政府は、6月27日から30日にかけて、東京電力管内に「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」を発令した。今月1日から9月30日は、7年ぶりとなる節電要請期間に設定されるなど、依然厳しい電力需給が続くと予想されている。注意報発令時や、今夏にどのような対策を考えているのか。各社の取り組みを追った。

 横浜高島屋(横浜市西区)では、注意報発令時に午後3~6時の時間帯に6機あるエレベーターのうち、2機を停止。食料品フロアでは、揚げ物などを扱う一部店舗でタイムセールを行った。

 揚げ物などを調理すると、室温が上昇。冷房などの電力を余分に消費する。「家庭で多く電力を消費せず、安く手間をかけずに揚げ物を食べてほしい」と担当者。今後も注意報が発令された際に実施するという。

 そごう横浜店(同)は6月29日から「節電要請応援セール」を展開中。地下2階の総菜売り場で、揚げ物や焼き物の割引を実施している。注意報発令以降も屋上のネオン看板や照明を消灯。節電に努めている。家電量販店のノジマ(同)では、節電のため店頭に並ぶ展示品の一部の電源をオフに。各社とも、営業に支障がない範囲で対策に取り組んでいる。

 県内に路線がある鉄道各社も、それぞれ対応を取っている。京浜急行電鉄(同)は、注意報発令時に駅事務所内での節電に加え、午後3~6時の間、比較的利用者数の少ない沿線の一部駅でエスカレーターを停止した。

 東急電鉄(東京都)は、混雑しない時間帯には全駅で券売機の一部稼働を停止したり、駅構内や車両内の照明を一部消灯したりする取り組みを6月27日から当面の間続ける方針だ。

 小田急電鉄(同)も駅の待合室のエアコンの温度を可能な限り、28度以上に設定。運転士は急なアクセル・急ブレーキを避けた「省エネ運転」を心がけるなど、状況に応じて対策を講じるよう現場に促している。

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