【物流日記】日本最大級の貨物駅!「東京貨物ターミナル駅」にまつわる貨物鉄道の魅力

物流は日本の「血液」と呼ばれ、我々の生活を支える物流業界において国内貨物輸送量の9割をトラック輸送が占めています。
昭和40年代までは国内貨物輸送の大部分を「貨物鉄道輸送」が担っていました。
しかし、鉄道輸送では鉄道車両が敷設された線路上のみしか走行できず小回りが利かないため、整備された道路を車両が自由に走行できるトラック輸送が担うようになりました。

ですが、貨物鉄道輸送の優位性や魅力もあり、特に日本の首都である東京に最大級の貨物ターミナルがあることから鉄道輸送の必要性は十分にあることがわかります。
今回は貨物鉄道輸送の特性と魅力に迫ります!

■「長距離輸送」で日本の物流を支える貨物鉄道

国内貨物輸送量における鉄道輸送のシェアは約1%ですが、国内貨物輸送の7割以上は100km未満の短距離輸送であるとされることを踏まえる必要があります。
輸送実態を正確に把握するために、輸送距離もあわせて考慮し、輸送距離も勘案した輸送量を「トンキロ」と呼んでいます。
このトンキロベースで見た場合には、トラックが約5割、内航海運が約4割であるのに対し、鉄道も約5%のシェアを維持しています。

なぜこのような差が生まれるのかというと、貨物鉄道輸送の特性の1つとして「長距離輸送」に向いているということが挙げられます。
国内貨物鉄道輸送の大部分は日本貨物鉄道株式会社が担っており、同社におけるコンテナの平均輸送距離は900kmを超え、中長距離帯における輸送を得意としています。

また、線路上のみの走行しか出来ないことがデメリットとして挙げられますが、線路上を走ることで「定刻発車」と「走行速度が決まっている」というメリットもあります!

■「大量輸送」の拠点である東京貨物ターミナル駅

日本の貨物鉄道輸送においては、首都圏〜福岡間における輸送需要が最も大きくなっています。
遠くまで一度に大量に運べる事も貨物鉄道輸送のメリットとして挙げられ、同区間では現在、最大26両分の貨物列車は10tトラック65台分に相当するコンテナを輸送することが可能です。
全国約150か所の貨物駅がある中でも、最大級の貨物駅として「東京貨物ターミナル駅」が挙げられます。
1日に約500本の貨物輸送が運行される中でも、東京貨物ターミナル駅は東海道本線を中心に、日本各地から貨物列車が多く発着する貨物鉄道の要になります。
敷地面積は国内の貨物駅でも最大面積を誇り、高速道路網が整っていなかった時代は、貨物列車が渋谷や汐留といった都心まで乗り入れるほどでした。

現在も大量輸送を得意とし活躍している事ももちろんですが、鉄道輸送が日本の貨物輸送を支えていた歴史を感じる、東京貨物ターミナル駅は魅力的なスポットとして4〜9月の平日に限り見学も可能となっています。

■「低環境負荷」を実現するモーダルシフト

鉄道貨物輸送のメリットとして、「低環境負荷」であることが挙げられます。
1トンの貨物を1km運ぶ(1トンキロ)ときに排出されるCO2の量において、トラック(営業用貨物車)が225gであるのに対し、鉄道は18g(約1/13)となります。
貨物輸送において、鉄道利用はCO2排出量削減に効果的であり、地球温暖化対策としても有効です。
トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道または船舶へ転換することを「モーダルシフト」と言います。
長距離になるほど輸送コストが低減できることに加え、一度に大量輸送が可能になり、長距離ドライバー不足の解消にも繋がります。

■まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は貨物鉄道の魅力をピックアップしました!
主に、①長距離輸送が得意、②大量輸送が可能、③低環境負荷という特性に注目し、貨物鉄道の魅力に迫りました。

トラックなどの自動車輸送もインフラが整い、時代のニーズに合わせて現在主流になっていますが、かつては日本の貨物輸送の中心であったという歴史や、メリットを活かして現在もなお活躍する貨物鉄道に興味を持っていただけたら嬉しいです!

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