【高校野球神奈川大会】慶応エース広池、3回パーフェクト エンジョイ・ベースボール体現 ノーシードから日本一へ

3回を無安打5奪三振と好投した慶応の広池=サーティーフォー相模原(石井 啓祐写す)

◆慶応14-0サレジオ(5回コールド)
 慶応のエース広池が3回パーフェクトの快投。「力んだけど、結果としてまとめられたので良かった」と涼しげに振り返った。

 躍動感あふれるフォームから最速144キロを誇る右の本格派。ストレート、スライダーを精度高く集めて5奪三振と付け入る隙を与えず、「プレッシャーを背負い過ぎず、野球を楽しもうと思っている。今日はやりたいことができた」。夏を満喫している様子だ。

 元広島で現在は西武の球団副本部長を務める浩司さんを父に持つ。「投手は打たれても次の球を投げるだけ。次のボール、次のプレーに集中しろと昔から言われている」と広池。そしてほほ笑み、「あとは、とにかく楽しめと」。

 エンジョイ・ベースボールの体現者はあくまで自然体。ノーシードからの挑戦にも「楽しい試合が増えていい。相手を意識せず自分たちのやることをやっていく」と気負いはない。

 東京・慶応中等部出身。「あそこでプレーしたくて中学から慶応に入った」と、幼心をくすぐったのは華やかな大学野球の聖地・神宮だが、その前に果たすべき誓いがある。「目標は日本一。それは高校に入ったときからずっとぶれない」。甲子園のマウンドもきっと、格別だ。

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