【沖縄】高校野球 夏の甲子園切符を懸けた熱戦 決勝戦プレビュー ~興南~

 高校野球の第104回全国選手権沖縄大会は16日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝が行れ、第1試合は延長戦の末、秋の王者興南がKBC未来に勝利し決勝に駒を進めた。

 甲子園の切符を手にするまであと「1勝」とした興南の魅力に迫る。

思うようにいかないときを経て、夏に懸ける思いはひときわ強い!

 秋季九州大会は準々決勝で敗退したが、選抜まであと一歩のところまで迫った興南。春の県大会直前に新型コロナウイルスの陽性者が確認され、辞退に追い込まれた。祊覇盛太郎主将が振り返る。「九州でリベンジしたかった。やるせない気持ちでした」。我喜屋優監督は選手にこう語り掛けた。「夏一本に的を絞って、今足りないところを克服していこう」。吹っ切れた選手たち。「どのチームよりも夏に懸ける思いは強い」と祊覇主将。悔しい思いを力に変える。
 昨秋は直球に力のあるエース右腕の生盛亜勇太を負傷で欠く中、左腕の平山航多が制球力を磨いて急成長。復帰した生盛は直球の最速が145キロに伸び、落ちる球も磨く。左右に柱が揃い、他の投手も育つ。生盛は「とても刺激になっている」と投手層の厚さがいい影響を生んでいるようだ。
 打撃はスカウト注目の捕手、盛島稜大が引っ張る。186センチの体格でパワー十分。さらに「選球眼とボールを飛ばすスイングを鍛えてきた」と成長を続けている。1月の県高校野球部対抗競技大会では8種目中7種目を制覇した興南。優れた個の能力をチーム力に昇華し、4年ぶりの聖地を目指す。

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