【高校野球】昨夏はコロナで出場辞退 東海大相模OBもスタンドに「甲子園で日本一を」

昨夏の神奈川大会で出場辞退を余儀なくされた東海大相模高の卒業生ら=横浜スタジアム

 23日に横浜スタジアムで行われた全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝で、東海大相模は慶応に9-0と大勝。3年ぶりにベスト4進出を決めた三塁側スタンドには、この春卒業した野球部OBも応援に駆け付けた。昨年の3年生は選抜大会を制した一方で、最後の夏は新型コロナウイルスの集団感染で準々決勝を前に無念の出場辞退。つらい経験を共にし、再び甲子園を目指す後輩たちに寄せる期待は大きい。 

 俊足巧打の遊撃手としてチームをけん引した元主将の大塚瑠晏(現東海大)は、帰省期間を利用して今夏ほとんどの試合に足を運んだ。同じポジションの深谷にはLINE(ライン)で守備のアドバイスもしたという。「自分たちは最後まで戦えなかったので、コロナもなく戦い終えてほしい」と無事を祈る。

 昨年の主砲で、大塚とともに東海大に進んだ柴田も後輩の活躍を喜ぶ。「谷口や百瀬はバッティングを聞きにきたので教えていた。本人の頑張りだとは思うが打ってくれてありがたい」

 不条理な夏を経験したからこそ、後輩に託す思いも強くなる。大塚は「夏に優勝できなかったので、甲子園に出場して日本一を取ってきてほしい」、柴田は「昨年よりも強いと思う。自分たちの分も優勝してほしい」とエールを送った。
(藤江 広祐、写真も)

© 株式会社神奈川新聞社