ローカル鉄道の在り方 有識者検討会が提言 国主導での協議会設置 可能性を示す 国土交通省

 国土交通省による有識者検討会「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」(座長・竹内健蔵東京女子大現代教養学部教授、委員6人)の第5回会合が25日、同省で開かれ、「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言」が公表された。
 提言では、JR各社のローカル線区で輸送密度(1日1キロ当たりの平均乗客数)が1000人未満など、基準に該当する区間を「対策を講じる必要がある区間」とし、今後の在り方を検討するため、自治体による協議会設置を「基本原則」に定めている。
 併せて、この基本原則がうまく機能しない地域については、一定の要件を満たした上で、鉄道事業者または自治体の要請を受け、国による協議会(仮称・特定線区再構築協議会)を設置し、「廃止ありき、存続ありき」という前提を置かずに協議するとしている。
◇糸魚川市長コメント発表 大糸線
 大糸線南小谷―糸魚川間の2019年度の輸送密度は102人で、提言の基準に該当している。存続へ糸魚川市の米田徹市長は25日、提言に対するコメントを発表した。内容は次の通り。
 「これまで検討会の議論を関心を持って見守っていたところであり、今回の提言は想定の範囲内でありますが、大糸線沿線の当地域にとりましては、大変厳しい内容と認識しております。地方は、人口減少などにより、課題が山積しているなか、更にコロナ禍により課題が顕在化しております。この度の国土交通省の有識者検討会が数値のみで関係者の果たすべく責任として処理をしようとすることは、到底理解できるものではありません。引き続き沿線地域が一体となり、精一杯頑張っている姿を見せることで大糸線の重要性をしっかりと伝えて参りたいと思います」

© 株式会社上越タイムス社