小田原市が合葬墓地、23年4月から運用 跡継ぎ不在の〝無縁〟を回避

7千人以上の故人が眠る久野霊園=小田原市久野

 神奈川県小田原市は来年4月から不特定多数の遺骨をまとめて納める「合葬(がっそう)式墓地」を初めて市営墓地「久野霊園」(同市久野)で供用開始する。核家族化や少子高齢化で墓の跡継ぎがいなくなる“無縁仏”となるのを避けるため、希望者の合葬式への改葬を進め、今後60年で約4千人分の遺骨の埋葬を目指す。

 墓地内の一角に現在整備中の納骨室は鉄筋コンクリート造平屋建て(床面積54平方メートル)で最大1300人分の骨つぼを並べて納め、遺族は入り口の参拝所から供養する。遺骨は地上の納骨室に20年間納められた後、1人ずつ布製の納骨袋に入れられて地下の合祀(ごうし)室にまとめて埋葬。合祀室に埋葬後は遺骨の返却はできなくなる。

 久野霊園は1966年に開設し、現在は約2800区画に約7千人以上の遺骨が埋葬されている。このうち12区画が墓の跡継ぎがいなくなる無縁墓となり、年間の管理料も支払われなくなっているという。

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