千葉県、オンライン登録の感染者を県統計に計上せず 対応検討へ

 千葉県は16日、先月より開設した「陽性者登録センター」にオンライン登録した感染者について、県の感染者数に含めていなかったと発表した。意図的ではなく委託先の事業所と、関係した医師が県外に拠点を置いていたためだとしている。

登録されていなかった感染者、先月より累計約25000人

 県によると、感染者増を受け保健所や医療機関の負担を減らすため、先月より抗原検査キットなどで陽性だった場合に、「陽性者登録センター」にオンライン登録しその後医師の診断を受けられる制度を導入した。しかし、制度開始以来一貫して、このセンターにオンライン登録した感染者の数が、県が毎日発表する新規感染者数の数値に含まれていなかったことが分かった。その数は累計で25000人にも上っている。なお16日の県内の感染者数は4848人と発表されているが、この数値にもセンターにオンライン登録した感染者数、3300人あまりは含まれていない。

 原因は、制度の運用を受託した事業者、感染を確認する協力医療機関ともに東京都内に拠点を置いていることがあげられる。特に医療機関は感染者を確認した場合、感染者の住所には関係なく最寄りの保健所に届け出ることが感染症法で定められているため、実はこれまで東京都内の感染者として計上されていたというのだ。

 とはいうものの、これまで何の説明もなく実態とかけ離れて少ない感染者数が発表され続けていたことになり、県内の基礎自治体のなかには、感染者対策の指標のひとつとして捉えていたため困惑の声も上がっている。県では実態と異なる数値を発表していたのは事実だと認め、合算して発表できるよう調整を進めるとしている。

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