神奈川・真鶴町長の不正名簿問題 町が初の町民説明会 町長支持派と反対派が対立

名簿不正問題に関する町民説明会で経緯を説明する松本一彦真鶴町長=20日、同町民センター

 真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿を不正利用した問題を巡り、町は20日、発覚後初めてとなる町民説明会を開いた。自らの辞職を否定し続ける松本氏に対して「リーダーシップを発揮し町政を前に進めて」「事態正常化には辞職すべき」と町長支持派と反対派の住民が席上でいがみ合う場面も。町が松本氏の刑事告発を進めている異例の事態に「町が真っ二つに分かれる現状にこれ以上耐えられない」とため息も漏れた。

 説明会は町民センター(同町岩)で開かれ計63人が参加した。町は今年4月の第三者委員会報告書や町議会の監査請求で指摘された再発防止策の進捗(しんちょく)状況を報告。松本氏らに対する刑事告発は「前例がなく、裁判の判例とされる可能性も大いにあるので慎重に進めている」と説明した。

 松本氏を支持する住民からは「(出直し町長選で)再選しているのだから、堂々と町政に携わってほしい」「若くて開かれた町政をしてくれるので頑張ってほしい」と“エール”が相次いだ。

 一方で辞任を求める住民らは「再選後も新たな事実が発覚するなど不誠実」「町長の席にいてはいけない人」と厳しい追及が相次いだ。支持派と反対派からやじが上がり、互いの発言を遮る場面も。対立が鮮明になる中で「(松本氏の去就を)司法に決めてもらうしかない。最優先で刑事告発をすべき」などと“厭戦(えんせん)”ムードも漂った。

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