【新型コロナ】加藤厚労相「死亡者数さらに増加のおそれ」 専門家会合で

 加藤勝信厚生労働大臣は24日に開催された同省の専門家会合で、現在の高いレベルの死者数の推移に懸念を示し、さらに増加するとの見通しを示した。同会合の座長も死亡者数の増加がしばらく続くとの見解を示しており、行動制限を行わない方針の中でどう感染抑制を図るか、正念場が続いている。

新学期以降の再拡大を懸念

 この日開催された専門家会合に提出された直近までの全国の新規感染者数のデータは、大都市圏の一部で減少傾向が見られるものの、その周囲の道府県で増加か、高止まりの傾向が示された。そのためほとんどの地域で病床使用率が50%を超えており、専門家らは医療提供体制のひっ迫が長期間続いていると危機感を示した。またこの状況で教育機関の夏休み終了を迎え、今後さらに感染拡大する懸念すら考えられるため、少なくとも早期に新規感染者数が減少する可能性は低いと評価した。

 会合のなかで、加藤厚労相は「死亡者数は最高値を超え、さらなる増加が懸念される」と見解を示し、新学期以降の状況も注視していくとした。専門家会合の脇田隆字座長(国立感染症研究所 所長)は「高齢者の感染例増加が緩やかに続いており、高齢者を含めたワクチン3回目、4回目接種を進める必要がある」と指摘した。

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