冠番組「どぶろっくの一物」は“本妻”のような存在!? 番組ロケに密着&どぶろっくにインタビュー!

サガテレビで放送中の「どぶろっくの一物」(土曜午後6:00、佐賀ローカル)は、佐賀県出身のどぶろっく(江口直人、森慎太郎)が街行く人にインタビューして、その人にとっての“一番の物、唯一の物”=「一物」を探す街ブラ番組だ。8月13日には番組初の1時間スペシャルをオンエア。高い視聴率を記録した。

そんな佐賀の人気番組に、ご当地ニュース編集部は密着取材を敢行。今回のロケ地・佐賀県みやき町に向かった。国内最大級の弥生時代の環壕集落跡である吉野ケ里遺跡がある吉野ケ里町と、福岡県久留米市の間に位置する自然豊かな町だ。

ロケ日和といわんばかりの快晴だった7月某日。みやき町の北部にある山田水辺公園からスタートした。園内には脊振山系から流れる冷たい川や、膝の高さほどのため池があり、夏場には涼を求めた人々でにぎわうスポットとなっている。当日も多くの子どもを連れた家族が続々と訪れていた。

そんな“夏真っ盛り”という雰囲気の中、みやき町をテーマにした2人の歌声とともに収録が始まった。2019年「キングオブコント」王者の突然の登場に、園内の子どもたちは驚きと興奮を見せる。「番組いつも見てます!」と方々から声をかけられる様子を見て、あらためて番組の知名度を感じさせられた。

ロケでは訪れる町のみ決められており、インタビューで聞いた場所に行き、取材交渉…とそこから先はノープラン! 毎回、撮影場所も人物も全くの未定と知って、実はロケの進行に内心不安を覚えたのだが…。しかし、どぶろっくの2人にとって、そんな心配は杞憂(きゆう)にすぎない。インタビューした人々と打ち解けるスピードの早さ、そして彼らが引き出す情報量の多さに驚かされる。2人の人柄のよさゆえなのだろう。この日もその実力は遺憾なく発揮され、“撮れ高”はバッチリだったようだ。

収録の合間、2人に話を聞いた。

――地元・佐賀で冠番組が決まったと分かった時の気持ちをお聞かせください。

「初めはちょっと疑っちゃいましたね。佐賀で冠?って。本当に一度もテレビっていう媒体で冠番組って持ったことなかったので」

江口 「何度も『本当ですか?』って確認しましたね(笑)。深夜番組だと思ってたんですよ。そうしたら、夕方の6時って。めっちゃいい時間で。最初は本当にうれしかったんですけど、そっからは普通にプレッシャーですよね。いつもポイントポイントでネタをやるっていう仕事ばっかだったから。冠番組となると、責任あるじゃないですか」

「本当に。たくさん見てもらえるかとか…そういうこと考えますよね。責任がない仕事がいいと思ってたんで(笑)。ついに責任のある仕事がきたか…っていう感じで」

江口 「結婚を決めた時に似てるかもしんないですね(笑)。もうちょっと遊びたいな~って。これ受けたら遊べなくなっちゃうぞみたいな」

「うん。だからこの番組は“本妻”ですよね(笑)」

――先ほども出ましたが、放送時間はまさかの夕方です。お二人の芸風でいうと“深夜向け”では…と。ネタのチョイスなどは時間帯を意識されてらっしゃいますか?

「試し試しですよ。実は」

江口 「生放送だったら考えますけどね」

「深夜の番組でやるようなことを言ってみたら、スタッフの皆さんのリアクションが違ったりして。『あ、コレじゃないんだな』とか」

江口 「やっぱね、そのへん素直に出ますよ(笑)。『コレはやばいかな?』と思いながら言ったことは、実際皆さんあんまり笑ってくれなかったりするんで。皆さんやっぱり大人だなって(笑)」

――スタッフの皆さんのリアクションがコンプライアンスみたいな感じなんですね。

江口 「でも、サガテレビさんが俺たちと共にこの日本のテレビ業界のコンプラに闘いを挑んでいる感じはしますよ。どこまでいけるかみたいな(笑)」

「スタッフさんに言っていただいたんです。われわれ(2人)がやる下ネタは、基本的に何でもOKですからと」

江口 「だからあんまり気にせずやってると思います」

――以前(同局で2022年3月まで)放送していた「農カモン」にも出演されていました。その時のスタッフさんと同じような布陣かと思うんですが、関係性はいかがですか?

江口 「あの収録の時に『番組やりましょう』って言っていただいたんですよ。ただその時はハイハイって…」

「誰にでも言ってるんだろうなって(笑)」

江口 「でもそれからすぐスタッフの皆さんが動いてくださって。1~2カ月で放送決まりましたから」

「初めましての関係ではなかったので、すごく入りやすかったですね」

――番組の放送が決定した時の、ご家族や地元の友人など周りの人の反応はいかがでしたか?

江口 「びっくりするくらいみんな見てくれてるんですよ。この前も実家に帰ったら、隣のおばちゃんが来て『いつも見よるよ! 面白かもんね』って言ってくれて。面白いって言われるとやりがいありますよね」

「僕も実家に帰った時に、実家のテレビの録画リストを見てみたんですよ。全部僕らの番組(『どぶろっくの一物』)でした(笑)。びっくりしましたね。一度番組が1クールで終わるか…?みたいなあおりをした回があったんですけど。放送直後におやじから連絡来て。『番組終わるとか?(終わるのか?)』って(笑)。めちゃくちゃ心配されました。大丈夫って言ったら『裏は取れてるのか? 録画予約は続けていいのか?』って(笑)」

江口 「1回だけロケで福岡県へ入った回があったんですよ。そうしたらいろんな方面から怒りのお言葉が…(笑)。『なんで佐賀から出とるとか』『なんで福岡に足ば入れとるとか』と(笑)。佐賀の方々の“愛”を感じました」

(スタッフ)「だから今は福岡(ロケ)禁止にしてます(笑)」

江口 「福岡禁止令です(笑)」

――(笑)。番組はTVerで配信されており、福岡を始め全国の皆さんが見ることができます。最後に全国の視聴者、読者へのメッセージをお願いします。

「佐賀県っていいとこなのに、PRがあんまり上手じゃなくて。だから僕らを通じて、この番組を通じて細かい佐賀を知ってもらえればと思いますね。この番組見てれば、結構佐賀のこと分かるんじゃないかな。僕らが佐賀出身の人間だから、県民の人たちが心を開いてくれているところもあると思うんです。福岡の人が来たりしたら…ちょっと“皮”かぶったりするとこをあるんで(笑)」

江口 「僕らみたいな全然ロケとか下手くそなグダグダな感じでやってるんですよ。それを許してくれる番組スタッフ、そして佐賀県民の皆さんの愛を…優しさを見てほしいですね。母性をくすぐり続けたいと思います(笑)」

――ありがとうございました。

なお、取材した「みやき町編」は9月3日に放送予定。もちろん、放送終了後はTVer(番組放送から1週間)とFODで配信。放送エリア外でも番組を楽しむことができる。いろんな“愛”にあふれた番組、ぜひ一度視聴してほしい。

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