本年産コシ1300円増 つきあかりは300円増 JAえちご上越 コメ「仮渡金」

 JAえちご上越が管内の生産者に示した本年産米の「仮渡金」の内容が、30日までに分かった。JA米コシヒカリは60キロ当たり1万4000円で、前年比1300円増。同JA営農部は仮渡金決定の根拠について「販売先の動向やJA全農にいがたの仮渡金を考慮し、最大限努力した結果」としている。
 仮渡金は、JAが生産者の出荷に際して支払う前金のことをいう。JAは販売見通しが立った時点で、販売見込額から経費と仮渡金を除いた額を追加払いし、精算している。
 コシヒカリ以外では、JA米こしいぶきが1万500円で前年比200円増、同新之助は前年と同額の1万5200円。一般米みずほの輝きは前年比200円増の1万800円、同つきあかりは同300円増の1万300円となった。
 コシヒカリの仮渡金が増加した背景には、新型コロナウイルスの感染拡大により家庭用米の需要が高まっていることが挙げられる。一方でこしいぶきやつきあかりといった外食・中食向けの業務用米は需要が戻らず、コシヒカリと比較して小幅にとどまった。
 農林水産省が7月に公表した、6月末の民間在庫量(速報値)は217万トン。前年比では1万トン減少したが、コロナ前の2019年6月末に比べ約30万トン増えている状況だ。

コメの消費縮小やコロナ禍による業務用米の販売不振などが仮渡金に反映している

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