露の反対でNPT最終文書案採択できず遺憾

 寺田稔総務大臣は30日の記者会見で「ロシアのみの反対でNPT最終文書案が採択に至らなかったことを誠に残念、遺憾に思っている」と所管外ではあるが、総理補佐官時代に核軍縮・不拡散に取組んできた経緯から、遺憾だとロシアの対応を非難した。

 寺田大臣は「総理補佐官時代、最終の成果文書の採択に向けて様々な取組みをしていた。本当に残念な気持ちでいっぱいだ」と語った。

 そのうえで「今後、運用検討プロセスの作業部会を立ち上げる。そして、年明けからそれをスタートさせる。今回の議長案が正式に作業文書として登録採択された。これは今回の議長案がベンチマークとなって、次の議論がスタートできる。これは7年前の決裂の時とは根本的に違う点で、明らかなベンチマークができたという点は高く評価される」と前向きに一歩前進との受け止めを示した。

 また「中道国が中心となって我が国がイニシアチブを取って進めていた平和教育についてのステートメントも、88か国というかなり多くの国々の同意を得ることができ、そのステートメントも発出をすることができた。被爆地の思いも大いに発信することができたという意味で、今後につながる成果だと思っている」と語った。

 寺田大臣は「11月の国際賢人会議、来年5月19日・20日に広島で行われる主要国首脳会議に今回のベンチマークをつなげていくことができればと」期待を示した。(編集担当:森高龍二)

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