テレビ入り閉会中審査で国葬質疑に答えると総理

 岸田文雄総理は31日の記者会見で、安倍晋三元総理の「国葬儀」について「国民に弔意を強制するものではないが、さまざまな意見とともに、説明が不十分との批判を頂いている。判断した首相として批判を真摯に受け止め、正面から答える責任がある」と述べ「閉会中審査で自身が入り、テレビ入りで質疑に答える機会を頂きたい」と公開での質疑応答で説明するとした。

 ただ、衆議院議員126人、参議院議員77人が求めていることを踏まえれば、一定期間を確保した質疑をするため「臨時国会召集」が望ましいことはいうまでもない。ただ、総理は閉会中審査に決め込んだ。

 岸田総理は国葬基準について「その時の政府が総合的に判断し決定するというのがあるべき姿」などと、全額国費で行う国葬儀を、時の政府の裁量に任せるような全くあやふやな基準での説明をした。

 岸田総理は「国際的な状況、国内状況、亡くなられるまでの経緯、こうしたものを総合的に時の政府が責任をもって判断するもの」とし「政府として丁寧な説明に全力を尽くしていきたい」と強調したが、世論調査でも賛成より、反対が多い状況で、この日の説明も説得性を欠くものになった。

 閉会中審査でどこまで理解を得られる説明ができるのか、もともと国葬は「憲法で国民の象徴として規定される天皇」を除き、憲法が定める法の下の平等に沿わないばかりか、弔意などのムード造りそのものが、思想信条の自由に抵触しかねない問題をはらんでおり、全額国費にも問題を抱える中、総理の説明次第ではさらに国論を二分する可能性がある。(編集担当:森高龍二)

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