農林水産省の若手職員2人が8月29日から9月9日まで12日間、糸魚川市内の農業生産法人で農作業体験の実地研修を行っている。
現場の視点を踏まえた行政の推進に対応するため、入省後数年の若手職員を対象にした農村派遣研修。全国各地の農家で泊まり込みで農作業を経験し、農業の実態や農業者の実情、課題について知識と現場感覚を高める。
同市へは、長岡市の北陸農政局信濃川左岸流域農業水利事業所工事第二課工事第4係係員の吉見奈津歩さん(25、岡山県出身、入省3年目)と、東京都本省の農村振興局整備部地域整備課農村整備企画班係員の吉川(きっかわ)日向子さん(23、神奈川県出身、入省1年目)が派遣。受け入れ先の同市中川原新田の株式会社東山ファーム(原直治代表取締役)で、同社スタッフと共に稲刈りを控えたほ場での作業などに従事している。
同社はコシヒカリをはじめ、各品種の水稲58ヘクタールを作付けしている他、メロンのハウス栽培など園芸作物を生産。従業員は10人。若手農業者雇用を増やし、将来の農業経営の安定を図る。原代表取締役(68)は「現場に出て知って実感すれば、将来役に立つことがある。若い時は経験をした方がいい」と2人に教える。
中山間地関連の業務に携わる吉見さんは「農家の皆さんの声を聞き、研修の機会を今後に生かしていきたい」。横浜市で生まれ育ったという吉川さんは「農村の暮らし、農作業の体験は貴重。政策、制度と農家のニーズがマッチしているかなどリアルな声を聞いて学びたい」と話した。
2人は研修初日の8月29日に米田徹市長を表敬訪問した。