◆慶応10―0横須賀学院(5回コールド)
慶応の1年加藤が四回、等々力球場左翼席奥の遊歩道まで届く大きな3点本塁打。続く五回には左中間に2点二塁打を放ってコールド勝ちを決め、大きな存在感を見せた。
夏の大会はベンチ外。秋の地区予選は体調を崩した正捕手の代わりを務めたが、「5番・左翼」での先発出場を告げられたのは試合前日だった。当然、この日が公式戦第1号の記念アーチ。
しかし本人は「打った感触は良かった。でもセンター返しをずっと心がけて練習してきたので」。直球を豪快に引っ張った本塁打よりも、前の打席の投手ライナー、次の打席の左中間二塁打が「目指している打撃」だといい、あまり喜んだ様子はない。
本来のポジションは捕手だが「まだまだレギュラーを取るには力の差がある」と自覚し、新チームでは打撃で貢献しようと決めている。
夏は、横浜スタジアムで東海大相模に敗れた先輩たちの姿を目に焼き付けた。期待の若きスラッガーは「夏に負けた相模を倒して、もちろん優勝を目指す」と言い切った。