10年ぶりの姿に喜び 谷内池から種子採取、栽培のオニバス開花

 三和区の谷内池から種子を採取し、三和中のプール洗体槽で栽培しているオニバスが開花した。同池は平成24年を最後にオニバスの発生が確認できない状態が続いており、〝10年ぶり〟の花となった。

6日に開花したオニバスの花(右)。水中には膨らんだ閉鎖花(左)もあり、種子の採取が期待される(6日午前11時ごろ撮影)

 かつては県内有数の群生地だった谷内池のオニバスを復活させるため、同校3年生や地元の「三和の自然と地域を育む会」、新潟県生態研究会などが協力した取り組みを行っている。5月に池のしゅんせつを行い、底に埋まっていた10年以上前の種子を掘り起こした他、6月に生徒らが池に入って種子を採取。そのうち1個が発芽し、洗体槽で栽培している。
 同研究会によると、最初の開花は9月3日に確認。6日午前にも3個目となる開花が確認された。水中から茎が伸び、紫色の花の上部が水面から上に姿を現した。萼(がく)を含めた花の直径は2・8センチだった。
 花弁が開かない閉鎖花を含めて約10個が育っており、数百個の種子ができることが期待されている。新しい種子が採取できれば、オニバス復活への大きな弾みになる。同研究会事務局長の藤本孝昭さんは「大成果。中学生に花を見せられたのがうれしい」と語った。

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