横浜・三渓園 「臨春閣」保存修理ほぼ終了 工事中、思わぬ発見も

保存修理事業をほぼ終了した「臨春閣」=横浜市中区の三渓園

 三渓園(横浜市中区本牧三之谷)を代表する歴史的建築物で重要文化財「臨春閣」の保存修理事業がほぼ終了し、7日、報道陣に公開された。屋根がふき替えられ、工事中には戦災で失われたとされていた玄関棟の床も発見された。17日からは特別公開も行われる。

 臨春閣の大規模修理はこれまでに1958年と87年に実施。3回目となる今回は、老朽化した檜皮(ひわだ)と杮(こけら)の屋根材の交換が中心。2018年度から始まり、新型コロナウイルス禍の影響もあり、5年にわたる事業となった。

 併せて実施した耐震補強工事では、モルタルの下から黒い石張りの床が現れた。1945年の戦災によって一切残されていないとされていた玄関棟の床だった。工事計画を一部見直し、発見された遺構は保存されることになった。

© 株式会社神奈川新聞社