【沖縄県知事選挙】沖縄県知事選挙の投票に行くときに知っておきたい! これからの沖縄県に関する5つの数字

沖縄県知事選挙は9月11日に投開票日を迎えます。

連日、各候補による熱い主張がなされていますが、それぞれの主張、政策を読み解くきっかけとなるべく、5つの数字で沖縄県を取り巻く状況を紹介します。

「146.8万人」→沖縄県の人口は2000年代に11.4%増加

県の統計によると沖縄県の人口は146.8万人(2022年8月)です。人口増加が続いており、2000年代に入ってから11.4%増加しています。

また、沖縄県の合計特殊出生率は1.83(2020年)と全国平均1.33を大きく上回り、全国でもっとも高くなっています。

多くの子どもが育まれる沖縄県には、若く、活力ある地域として様々な取組みが期待されますが、子育てにまつわる課題もあります。

厚生労働省による調査では、沖縄県の待機児童数は今年の4月1日時点で439人と全国で最も多くなっています。

また、「小1の壁」と言われることもある、放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童768人(2021年)は全都道府県の中で2番目に多く、対前年の増加人数157人は最多です。

もちろん、待機児童解消に向けた取組みも進められています。

保育所定員はこの4年間で1.2倍、1万人以上増加していますし、待機児童数も1,870人(2018年)が439人(2022年)と規模だけで見ると1/4以下になっています。

他にも、通院医療費の無償化範囲を中学校卒業まで広げる等の取り組みも今春から行われています。通院医療費の無償化について、中学校卒業段階まで補助している都道府県は2020年の段階では10府県にとどまっているものです。

「239.1万円」→全国平均を超える増加率も、県民一人あたり所得は全国最下位のまま

子どもたちを取り巻く環境では、子どもの貧困も課題となっています。

厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」では、沖縄県の子どもの貧困率が29.9%(全国平均13.9%)であることが報告されています。

子どもの貧困を考えたときに注目されるのが親世代の所得、雇用の状況です。

内閣府「県民経済計算」によると、沖縄県の県民一人あたり所得は2008年から2018年の10年間で全国平均(110%)を上回る増加(124%)をしたものの、金額239.1万円(2018年)は全国で最も低くなっています。

また、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」でも沖縄県の賃金246.8千円(2021年)は全国で6番目に低い水準です。

「327.4万人」→観光客数は新型コロナウイルスの影響で1/3に減少

県内の経済や雇用には新型コロナウイルスが大きな影響を及ぼしています。

2018年度には過去最高となる1,000万人を記録した観光客数も新型コロナウイルスの影響を受け、大きく減少しています。

沖縄県によると、2021年度の観光客数は327.4万人でした。対前年度では70万人の増加となっていますが、最盛期に比べると1/3の規模にとどまっています。

また、観光客数の減少は雇用にも影響しています。

有効求人倍率は2019年平均1.34倍が2021年平均0.80倍へと減少しています。県内の有効求人倍率は2011年に0.31倍を記録して以来、2019年まで増加を続けていましたが、新型コロナウイルスの影響で2014年の水準まで低下しています。

なお、有効求人倍率は今年に入ってから回復基調に転じ、7月には1.01倍となっています。

「6.0%」→基地関連収入が沖縄県の県民総所得に占める割合

沖縄県の経済活動については、基地経済への依存度が言及されることがあります。

沖縄県によれば、昭和47年の日本復帰直後は、基地関連収入は沖縄県の県民総所得の15.5%を占めていましたが、沖縄経済における基地関連収入の影響は徐々に低下し、近年は県民総所得の5%程度となっています。ちなみに、平成29年度は6.0%(2,813億円)でした。

一方、防衛白書(平成28年版、令和3年版)では基地返還跡地を活用した大規模商業施設や医療拠点づくり、道路整備やまちづくりなどの取り組みが紹介されるなど、基地返還後の土地活用も地域の発展に向けて注目されています。

また、県民の8割以上(約120万人)が暮らす沖縄本島中南部都市圏は、人口規模も面積も政令指定都市に匹敵する都市圏となっており、市域面積の1/4を占める米軍基地によってまちづくり、インフラ整備が阻害されているとの報告も県からされています。

在日米軍基地に関連しては有機フッ素化合物(PFOS)の汚染水の排出が日本政府との協議中に実施されるなどの問題も発生しています。経済効果についても様々な解釈があるなかで、今後どのような関係性を築いていくことができるのかが注目されます。

「9,000人」→2040年に見込まれる介護人材の不足数

高齢化の進行も沖縄県の将来に影響を及ぼします。

65歳以上人口の割合は22.6%(2020年)ですが、2025年には24.6%、2040年30.3%と増加が見込まれています。

厚生労働省の調査(第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について)によると、2019年度に沖縄県内には2.0万人の介護職員の方がいましたが、2025年には2.3万人の需要が見込まれています。今後も介護職員の増員は進められていく見込みですが、2025年に見込まれている職員数は2.1万人と約2,000人の不足が予想されています。そして、この不足数は2040年には9,000人にまで拡大することが推計されています。

介護労働安定センターによる「事業者における介護労働実態調査」では、沖縄県内の介護労働者の平均賃金は22.0万円/月であるのに対して、東京都28.5万円/月、大阪府は25.7万円/月と、都市部に比べて賃金差が生じています。

少子高齢化が進む中で、今後、地域間で介護人材の争奪戦ともいえる状況になる可能性がありますが、その時に影響を受け、他の地域への移動を選択しやすいのは、地域とのつながりの薄い若い世代の方です。

もともと、沖縄県では、進学等のタイミングで多くの若者が一度県外に転出し、そのまま県外に活躍の場を得る人も相当数みられる状況が続いていました。

賃金は1つの指標に過ぎませんが、今後、沖縄で育った若者がどこに活躍の場を求めることになるのか、そのための仕組みづくりがなされるのかが注目されます。

普天間飛行場移設問題や新型コロナウイルス対策など、沖縄県はこれからの数十年に影響を及ぼすような政策テーマに直面しています。沖縄県知事選挙を通じてどのような未来を選択することになるのかが注目されます。

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