湯河原のダイビングプール「存続を」 スポーツクラブ閉業、練習場所にしていた元世界女王ら訴え

ダイビングプールを毎日のように利用していたという沢田さん。施設存続に向けた署名を行っている=8月31日、湯河原町土肥1丁目

 神奈川県内でも数少ないダイビングプールがあり、40年近くにわたって地域コミュニティーの拠点としても重宝されてきた湯河原町土肥の「ゆがわらスポーツクラブ」が今夏、惜しまれつつ閉業した。同クラブで練習していたフリーダイビングインストラクターで世界選手権金メダリストの岡本美鈴さん(49)は「県内のダイバーの練習場所が減り、業界にとっても影響が大きい」と不安を募らせる。利用者らは多くの署名を集め、施設が再開される日を待ち望んでいる。

 同クラブは1984年に開業し、「有限会社ゆがわらスポーツクラブ」が8月末まで運営していた。室内にジム、スタジオ、プール(水深1.2メートル)、ダイビングプール(同4.75メートル)を備え、子どもたちの習い事、ダイビングスクール会員など1日あたり約300人が利用していた。

 同社は8月23日に「諸般の事情により8月末を持って閉店する」と利用者らへ通知。「施設の老朽化などが重なり、存続が難しかった」と取材に説明した。

 町内には、夏季限定で利用ができる町営プール、トレーニング室や体育館を備える町営スポーツ施設があるものの、室内プールやダイビングプールはない。同町は「スポーツクラブを利用していた町民も多く、閉業後は町外へ行くしかなくなってしまう」と話す。

© 株式会社神奈川新聞社