来海沢区(糸魚川市)に総理大臣表彰 昨年3月の地滑り災害 迅速な避難など評価 内閣府

 内閣府は13日、昨年3月の地滑りにおける避難誘導やその後の避難を確実に実施しているとして、糸魚川市の来海沢区に本年度の防災功労者内閣総理大臣表彰を贈った。同日、首相官邸で授与式が行われた。
 防災功労者内閣総理大臣表彰は、災害時における防災活動や防災体制整備で顕著な功績のあった団体・個人を表彰するもの。本年度は全国の12人と来海沢区含め36団体が受賞する。
 内閣府防災担当は、来海沢区の神喰重信会長と役員が、未明に避難勧告発令がされる中、住民を起こして避難を呼び掛け、土砂災害が発生する前に全住民の避難を完了させたことを評価。過去の地滑り災害の経験から、避難手順をあらかじめ決めていたことがスムーズな避難の決め手になったとしている。
 また、避難中の空き家や混乱に乗じて不審者が住居侵入や窃盗などを行わないよう、地区入り口に防犯カメラを設置するなど、住民の安心確保や犯罪予防を行っている点も評価した。
 本県関係者では他に、長岡技術科学大技学研究院の岩橋政宏教授が、防災・減災システムの研究開発、社会実装に貢献したとして同表彰を受賞した。
◇米田市長が祝意の談話
 受賞に当たり糸魚川市の米田徹市長は同日、次のコメントを発表した。
 「この度は、令和4年防災功労者内閣総理大臣表彰の受賞おめでとうございます。来海沢区長をはじめ、来海沢区の皆様の災害時における適切な避難行動や発災以降の防災活動などが評価されたものと受け止めております。災害時の対応やその後の地域づくり活動は、他の地区の模範や復興への指針となるものであり、市内における地域防災力の向上や防災意識の高揚につなげていくとともに、関係機関との連携を密に、1日も早い完全な避難解除に向けて取組を進めてまいります。」

© 株式会社上越タイムス社