ロイヤルズがムーア編成本部長の解任発表 16年以上の長期政権に幕

2006年5月に始まってから16年以上、リーグ優勝2度、ワールドシリーズ制覇1度を成し遂げたロイヤルズのデイトン・ムーア政権がついに終了した。日本時間9月22日、ロイヤルズのジョン・シャーマン・オーナーは「変化のときが来たと思う。デイトンも同意してくれた。難しい決断だったけれどね」とムーア編成本部長の解任を発表。今後はムーア編成本部長のもとでゼネラルマネージャー(GM)を務めていたJ・J・ピコーロがフロントオフィスのリーダーを務めることになった。

ムーアは解任が発表された今日、カウフマン・スタジアムに姿を見せ、報道陣に対応したあと、クラブハウスで選手やコーチ、球団スタッフに別れを告げた。「地域コミュニティやファン、スポンサーの皆様からいただいた多大なる支援について、感謝してもしきれない。ロイヤルズで成し遂げたことに誇りを持っているし、築き上げてきた文化も誇らしい。カンザスシティ・ロイヤルズの未来が本当に楽しみだよ」とムーア。「ジョン・シャーマンは素晴らしいオーナーだ。十分に勝てないとき、変化が必要とされる」と解任の決断にも理解を示した。

今季のロイヤルズはここまで59勝89敗の借金30でアメリカン・リーグ中部地区4位に低迷。プロスペクトたちが次々にメジャーへ昇格し、再建モードから勝負モードへ移行するタイミングと思われていたが、若手投手の伸び悩みが目立ち、思うような結果を残すことができなかった。2006年5月にGMに就任し、16年以上にわたってロイヤルズのフロントオフィスを牽引してきたムーアはその責任を取って編成本部長の座を退くことになった。

チーム再建が上手くいっていないからといって、ムーアの功績が色褪せることはない。2009年から2015年まで毎年勝ち星を増やし、2013年にシーズン勝ち越し(86勝76敗)、2014年にリーグ優勝、2015年にワールドシリーズ制覇とチームを頂点に導いた。2018年から再び再建モードに突入したが、新型コロナウイルスのパンデミックのなかでマイナーリーガーの解雇に反対するなど、選手を大切にする姿勢を貫いた人物でもあった。ロイヤルズは今後、ムーアと大学時代から付き合いのあるピコーロGMのもとでチームの立て直しを図っていくことになる。

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