「長い1960年代」高度経済成長期の日伊比較、東北大学とラ・サピエンツァ大学大学がオンライン出版へ

東北大学日本学国際共同大学院とイタリア・ローマのラ・サピエンツァ大学は、高度経済成長とさまざまな社会・学生運動、文化の興隆が起き、「長い1960年代」と呼ばれる時期の日本とイタリアを比較した英文書籍「レボリューショナリー・タイムズ」のオンライン販売を10月から始める。

東北大学によると、長い1960年代は1950年代半ばから70年代半ばまでを指す。当時、日本や西欧諸国が第2次世界大戦から復興して高度経済成長に入り、学生運動やベトナム反戦活動の活発化、ロック音楽、ヒッピー文化の登場などで西側の社会と文化、価値観が大きな変化を遂げた。

書籍はこの間の日本とイタリアの状況を両国の研究者8人が比較した。日本とイタリアはともに第2次世界大戦の敗戦国。社会や政治状況が大きく変化し、若者らによる既存秩序への挑戦で価値観が大きく揺らぐ混乱を経験した点は共通しているが、両国の状況に相違点も存在したことを8人の研究者が深堀りしている。

それと同時に、両国の比較で共有する歴史の新しい視角を提示するとともに、それぞれの現代社会をより深く理解するために必要な考えを提供している。

参考:

【東北大学】「長い1960年代」の日本とイタリアを比較する英文書籍、両国研究者の協力で出版 ─現代社会への影響の理解に重要な情報提供─

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