「水島のコンビナートを彷彿とさせるカフェ」
そんな非日常を味わえる場所が倉敷にありました。
2021年にJR倉敷駅の南にできたNEWスポット「あちてらす倉敷」にあるカフェの名前は、「.KOMBINAT(ドット コンビナート)」。
日本固有の「わびさび」と、工業的な無骨さの「インダストリアル」が調和・融合したまったく新しい空間でした。
「.KOMBINAT」の魅力を紹介していきます。
.KOMBINATとは?
「.KOMBINAT」は、JR山陽本線 倉敷駅から徒歩約5分の複合施設「あちてらす倉敷」の中にあります。
「72cafe(ナツカフェ)」を運営する意匠堂がプロデュースしたお店です。
特徴はなんといってもデザインで、外観や内装が水島のコンビナートをイメージしています。
立体的な空間になっており、お洒落な店内。
また、入店から退店までのほとんどがセルフサービスとなっている珍しいお店です。
店内に流れる滝
店内にはなんと滝が流れていました。
静かな水の音により、忙しい日々を忘れてゆったりとした時間を過ごせます。
天井にも配管が
天井にはいくつもの配管が通っています。
これらの配管を見るとまるでSFの世界に迷い込んだような感覚に陥ります。
入り口でランタンを受け取って、スマートフォンで注文
まず入店し「QRコード付きランタン」を受け取り、机の上にあるフックにかけてQRコードを読み込み、メニューを表示させます。
そして自分の好きな料理やデザート、ドリンクなどを注文。
自分のスマートフォンでメニューを注文するのは、今時なシステムですね。
スマートフォンを使うといってもシンプルな操作なので、慣れれば店員さんに気兼ねせず注文できる分いいかもしれません。
窯で焼き上げられた本格的なピザが楽しめる
料理ができたら、店員さんに番号を呼ばれるので、カウンターに受け取りに行きます。
筆者はどのメニューにしようか迷った結果、「王道のマルゲリータ」を注文。
しばし待っていたところ、本格的な窯で焼き上げられた出来立てが登場しました。
見るだけで熱々なのがわかり、トマトソースやチーズの食欲をそそる香りがします。
食べてみると、予想通りに美味しいです。
ピザ生地は中がもちもちで、端は厚みがありサクサク。
チーズとトマトソース、バジルのバランスがよく、まさにメニュー名のとおり王道のマルゲリータでした。
世界三大珍味のパスタ
続いて注文したのは「至高スパゲッティーニ」。
なんと、このパスタには世界三大珍味の一つである「トリュフ」がトッピングされています。
しかも少量ではなくふんだんに使用されていて、まさしくスペシャリテといって過言ではありません。
実食してみると、口に含んだ瞬間においしさが広がります。
筆者はトリュフを初めて食べましたが、鼻から抜けるトリュフの香りとクリームソースのまろやかさが合わさり旨味があふれていました。
パスタももちもちしており、クリームソースと相性がいいです。
その他のメニュー
デザートメニューの「庭園ティラミス」は、わびさびの趣を表現した濃厚クリームティラミスです。
和を感じることが出来て、写真映えするメニューですね。
他にも濃厚な抹茶クリームにクランブルクッキー、ほうじ茶アイスを使用した「.和parfait」などもありました。
次に訪れたときは、他のメニューも注文してみようと思います。
倉敷の伝統産業である「い草」と水島の工業地帯「コンビナート」をデザインに落とし込まれた店内は、倉敷の魅力を存分に感じることができます。
店内外から料理にいたるまでこだわりを感じる「.KOMBINAT」。
総支配人の藤原真也(ふじわら しんや)さんにお店についてお聞きしました。
.KOMBINAT藤原総支配人にインタビュー
2021年10月にオープンした「.KOMBINAT」。
総支配人の藤原真也(ふじわら しんや)さんにインタビューし、お店や倉敷への想いを聞きました。
──開業の経緯について教えてください。
藤原(敬称略)──
もともと、「72cafe」というお店をやっていました。
その72cafeが軌道に乗ってきたので、いずれ事業を拡大したいなと思っていたんです。
倉敷駅前に進出を考えましたが、物件が全然ありませんでした。
しかしある日、自転車で物件探しをしていたら目の前に「倉敷再開発組合」の文字を見つけました。
ちょうど会議をしていたので、そこでお話を聞きぜひ参加させてくださいとお願いしました。
それが開業の経緯になりますね。
──お店のこだわりについて教えてください。
藤原──
お店のオーナーが昔、水島コンビナートで働いていたこともあって思い入れがあるようです。
倉敷=美観地区と大部分の人が思われますが、水島コンビナートも倉敷を代表するものだよねという思いから「.KOMBINAT」となりました。
倉敷は和のテイストが多いため、倉敷の和と水島コンビナートのインダストリアルな要素を融合させたようなデザインにしています。
インダストリアル:工業的なという意味
──主力商品や人気メニューを教えてください。
藤原──
料理系であれば、やっぱりピザが一番人気ですね。
素材にはこだわっていて、国産の小麦粉をブレンドし、チーズはイタリアから仕入れたものを使っています。
それを専用のピザ窯で焼き上げます。
新型コロナウイルス感染症でテイクアウトの需要もあるので、テイクアウトでもピザを提供しています。
──お店への思いややりがいについて教えてください。
藤原──
やりがいは、お客さんが入るような工夫であったり仕組みづくりをして、現場のスタッフがそれをこなして結果に結びついたときですね。
利益をしっかり残すことによって、従業員みんなの生活も良くなることにつながると思います。
──新型コロナウイルスの影響で当初の見込みと違う部分もあったのでは?
藤原──
そうですね、いろいろ想定外の部分は正直ありました。
ただ、そのなかでも売り上げを出すということにはこだわっています。
どのお店も苦しい状況は同じだからこそ、そこは意識しなければならない。
常連さんがいなければ、常連さんをつけるように努力しなければいけないし、何かしらやることはあると考えています。
一人一人が考えたり、同じような意識を持つことは大切だと思います。
──今後の抱負ややってみたいことはありますか?
藤原──
倉敷アフタヌーンティーの次の発展もしていきたいと思っています。
その前に「あちてらす倉敷」という場所にいるので、あちてらす自体を盛り上げないといけない。
あちてらすを盛り上げることによって、倉敷駅前が盛り上がってくると考えています。
今の時期は頻繁にマルシェの企画や参加をして、ここに人が集まるような環境にしていきたいです。
それによってお店も同じように伸びてくると思うし、どこの会社がやっているんだろうと興味をもってもらえると思っています。
おわりに
「72cafe」などの飲食店を手掛けてきた意匠堂が、水島のコンビナートをイメージして作られた「.KOMBINAT」。
総支配人 藤原さんのお店に対する熱い想いを聞き、「お店を盛り上げることによって倉敷駅前を盛り上げたい」という気持ちが伝わってきました。
倉敷を訪れたかたは美観地区だけでなく、水島コンビナートを感じることができる「.KOMBINAT」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?