ノーベル平和賞受賞ならず 高校生平和大使、決意新たに

ノーベル平和賞の発表の様子をインターネット中継で見守る高校生ら=長崎市筑後町、セントヒル長崎

 5年連続でノーベル平和賞候補に挙がっていた「高校生平和大使」は今年も受賞はならなかった。発表を見守った高校生らは7日、残念そうな表情を浮かべながらも「核兵器廃絶と平和な世界の実現という大きな目標に向けて活動を継続する」と決意を新たにした。
 高校生平和大使は1998年に被爆地長崎で発足し、今年で25周年。核兵器廃絶を求める署名を国連機関へ提出しており、届けた署名は累計約200万筆に上る。今年、国会議員51人の推薦を受け、平和賞候補に挙がっていた。
 7日、平和大使や支援者ら約20人が長崎市のホテルに集まり、インターネット中継で発表を見守った。第25代大使の田原夏海さん(16)=県立諫早高2年=は「(受賞者が)戦争当事国の苦しい状況で活動を続けていることに敬意を表したい。署名や若者への発信を続け、世界に活動の大切さや意義を伝えたい」と前向きに話した。
 支援者で県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(82)は、戦火に揺れるウクライナの人権団体などが受賞したことについて「全世界の目が改めてこの戦争に向けられた。早く戦争が終結することを求める平和賞」と語った。

© 株式会社長崎新聞社