東日本台風から3年 相模原・被災現場のキャンプ場、遺族らが犠牲者追悼

台風19号で犠牲になった関戸基法さんの冥福を祈り、川に向かって手を合わせる長女の高崎幸江さん=相模原市緑区の神ノ川キャンプ場

 2019年の台風19号(東日本台風)の上陸から3年となった12日、増水した川への車の転落や土砂崩れなどで8人が死亡した相模原市の被災現場4カ所で、遺族や本村賢太郎市長が犠牲者を追悼した。

 この日、増水した川の濁流にのまれて経営者の関戸基法(もとのり)さん=当時(82)=が死亡した同市緑区青根の神之川キャンプ場では、跡を継いだ長女の高崎幸江さん(62)と、長男の関戸法雄さん(60)、次男の芳夫さん(56)がキャンプ場内を流れる川のそばに花を手向け、手を合わせた。

 被災後、高崎さんらは復旧作業を進めて20年3月に営業を再開。今でも基法さんを慕って手紙が来たり、花を贈ってくれる利用者がいたりするといい、高崎さんは「お客さんや友だちみんなの後押しがある。前を向いて頑張ろうという気持ちが強くなっている」と話した。

 キャンプ場運営を手伝う法雄さんは「3年はあっという間だった。何もないところからキャンプを始めた父親の偉大さを感じる」と振り返った。芳夫さんは「以前のようににぎわいのあるキャンプ場にしていきたい」と前を向いた。

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