人と自然に優しいチョコ 相模原・藤野で有機カカオ豆使い 目標は自然エネ100%

タンザニアの有機カカオ豆を使ったチョコレートを製造・販売する「藤野良品店」の柳田真樹子さん=相模原市緑区

 相模原市緑区の里山・藤野で、人と自然に優しいチョコレート作りが行われている。手がけるのは地元の店「藤野良品店」。アフリカ・タンザニアから有機カカオ豆を取り寄せ、藤野の木炭で豆を焙煎(ばいせん)するなど環境に負荷の低い製法に取り組む。持続可能なチョコレート作りに向け、自然エネルギーの100%使用も視野に入れる。

 「藤野良品店のチョコは有機カカオ豆と有機砂糖だけでできているんです」。同店代表の柳田真樹子さんが「里山クラフトチョコレート」の包みを開けると、カカオ豆の香りがふんわり漂った。多くの市販商品に使われているココアバターや香料などは一切加えておらず、口に入れるとカカオ本来の爽やかな酸味とフルーティーな味が広がった。

 同店は豆の仕入れから製造まですべての工程を手がける。農薬を使わず栽培されたカカオ豆をタンザニアの生産者から仕入れ、藤野の工房で豆を焙煎。その後、メランジャーと呼ばれる石臼のような装置で豆をひいて液体状にした後、有機砂糖だけを加え、オリジナルの型で冷やし固めて完成させる。

 真樹子さんと夫の啓之さんによる手作業で進められるため、1週間でできるチョコレートは150枚ほど。値段も1枚1030円(プレーン)と安価ではないが、今年2月のバレンタインデーには北海道から沖縄まで予約注文が入り、完売した。真樹子さんは「コンセプトや製造過程に共感して、手に取っていただいている方も少なくないと思う」と語る。

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