三次市布野の「ワインビーフ」 特産へ直売店

三次ワインビーフ直売店「みーとのば」で、お薦めの部位を紹介する野畑社長

 広島県三次市布野町で畜産業を営む「のば牧場」が、地場産ワイン用ブドウの搾りかすを混ぜた飼料を与えて育てた最高レベルの黒毛和牛「三次ワインビーフ」の直売店「みーとのば」を同市東酒屋町にオープンした。三次の新たな特産品として一般客へのPRを強める。

 リブロースやイチボなど牛のさまざまな部位を、100グラム単位の量り売りとパック詰めで販売する。前すね肉の一部「チカラコブ」や外ももの一部で1頭から300~400グラムしか取れない「センボン」など希少部位もそろう。同牧場は、広島県畜産共進会の最優秀賞などを受賞してきた。

 広島三次ワイナリー(三次市)のワイン製造過程で出たブドウの皮や茎、種の提供を受け、小麦の皮などと混ぜてアルコール発酵や乳酸発酵させた飼料を使用。生後11~12カ月から出荷するまでの約15カ月間与える。脂質の良さとうまみ、肉の味をより強く感じられるのが特長という。

 牧場では繁殖と肥育用計約270頭を飼育。ワインビーフはA4ランク以上で約10年前から手掛ける。年数回はリピーターや知人に直売していたという野畑篤史社長は「育てた肉を自分たちで販売できる場を持ちたかった」。国の事業再構築補助金などを活用し今春から準備してきた。

 今後は牛丼の具などの総菜も開発する。野畑社長は「自信を持って薦められる品質。三次に来たらここ、と言ってもらえる店にしたい」と意気込む。午前10時~午後6時。月、火曜定休。みーとのば☎050(5535)1002。

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