箱根寄木細工、91歳伝統工芸士 職人歴75年の集大成 19日から小田原で作品展

箱根寄木細工に取り組んで75年になる本間さん=箱根町湯本

 箱根寄木細工の伝統工芸士・本間昇さん(91)が19日から、職人歴75年の集大成となる作品展を小田原市城山1丁目の「ギャラリー城山」で開く。本間寄木美術館(同町湯本)の館長として寄木の魅力を伝える傍ら、自身の名前を冠する「昇乱寄木」を生み出し、江戸時代の貴重な作品の複製なども手がけてきた。26日まで約80点を販売展示する。

 16歳で父に師事し、精力的に制作を続けて75年。節目を記念し、「九十翁本間昇守破離(しゅはり)する寄木展」と名付けた展示では、本間さんが3年かけて複製した「観音開扉寄木洋風厨子」「乱寄木旅枕」などを展示するほか、作品の即売会も行う。

 2016年に84歳で日本伝統工芸展の新人賞を受賞し、東日本伝統工芸展の最高賞、全国伝統的工芸品公募展の日本商工会議所会頭賞なども受賞している本間さんは「これまで多くの方々のご指導やお力添えをいただいた。この場を借りて感謝を伝えたい」と来場を呼びかけている。

 午前10時~午後5時(19日は午後1時開館、26日は同4時閉館)。入場無料。21日午前11時からギャラリートークも予定する(先着予約で約15人限定)。

 会場では、8日発売の本間さんの自伝「寄木に生きるⅡ 守破離する九十翁本間昇」(1430円)も販売。問い合わせは本間寄木美術館電話0460(85)5646。

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