「外食」産業に他業界から熱い視線 コロナ後を見越した戦略か

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外食・フードサービス業界でM&Aが復活の兆しを見せている。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って同業界では2020年、2021年と2年連続してM&A件数が減少していたが、2022年は9月末時点で前年を2件上回り、10月に入っても勢いは止まらず、2020年の実績まであと2件に迫っている。

同業界はコロナ禍で業績悪化に苦しむ企業が多く、売却対象となる企業や事業は少なくない。一方、買い手は外食・フードサービスが全体の半数を超えているが、他業界企業による買収も半数近くに達しており、コロナ後を見据えた同業界での事業展開への関心の高さがうかがわれる。

現在、日本では外国人の訪日個人旅行が解禁されるとともに、ビザの免除や1日の入国者数の上限撤廃、さらには円安が重なり、訪日外国人旅行客の急増が見込まれている。今後、外食・フードサービス業界への関心は、ますます高まりそうだ。

小僧寿しが積極策を

また目立った動きとして、この間に2社を買収した小僧寿し<9973>の案件がある。同社は7月に、JFLAホールディングス<3069>傘下で飲食店経営のアスラポート(東京都中央区)が会社分割して設立する同名の新会社アスラポートを買収したのに続き、10月にはJFLAホールディングスの傘下企業からメキシカン・ファストフードTaco Bell事業を取得した。

金額が最も多かったのは、天満屋ストア<9846>が名物駅弁「桃太郎の祭ずし」で知られる三好野本店(岡山市)を子会社化した案件で、金額は7億500万円だった。

文:M&A Online編集部

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