土砂災害対応に重点 上越地域消防局・糸魚川市消防本部 糸魚川市で合同訓練 生き埋め救助など

 上越地域消防局と糸魚川市消防本部で構成する「緊急消防援助隊上越ブロック」の合同訓練が14日、糸魚川市内で行われた。
 合同訓練は2消防本部持ち回りで毎年実施。今回は昨年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害、今年8月の山形・新潟豪雨などを踏まえ、土砂災害対応に重点を置いた。
 今年は上越地域消防局から4隊14人、糸魚川市消防本部から3隊10人が参加。民間会社の創和ジャステック建設(本社・糸魚川市)が協力、同市今井地区の同社所有土砂置き場を現場訓練会場として提供した。
 一連の訓練は「午前9時、富山県西部地方で地震が発生、氷見市で震度7、糸魚川市で震度3、上越市で震度2を観測。『迅速出動区分1』に該当」との想定で開始。県(仮想)および代表消防機関(新潟市消防局)、上越ブロック幹事消防本部(上越地域消防局)、糸魚川市消防本部間の情報収集伝達訓練をはじめ、迅速出動参集訓練、土砂災害対応研修、土砂災害対応訓練の順に展開した。
 このうち土砂災害対応訓練では「余震により土砂崩れが発生、避難途中の男性1人が生き埋めになった模様で、上越ブロック中隊に対し出動命令」との想定で実施。土留めをし、丸太やコンクリート片を含む土砂の中から人に見立てたダミー人形を掘り出した。

生き埋めになった人を救助する土砂災害対応訓練

 訓練終了後、糸魚川市消防署の武藤悟署長は「非常に良い訓練だった。息を合わせた部隊行動ができた」などと講評。災害の多発傾向を踏まえ「いつ出動がかかるか分からない。本日の訓練を生かし、安全管理の徹底を図り、迅速確実に被災者・被災地のために活動を」と話し、さらなる技術向上や連携を呼び掛けた。

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