こんなにあるよ!意外に知らない「貸し切り」サービス

このお城も貸し切りで宿泊できる

「貸し切りで大乱闘」。10月16日に池袋の「サンシャイン60ビル」(東京都豊島区)で、レストランを貸し切ったグループによる乱闘騒ぎがあった。乱闘沙汰はご法度だが、実はそうした貸し切り、意外なサービスでも利用できる。

首都圏の水族館を貸し切り

乱闘騒ぎがあった「サンシャイン60ビル」には、レストラン以外でも貸し切りできる施設がある。それがサンシャイン水族館。2023年3月17日までの期間限定で、早朝または夜の水族館を貸し切り利用できる。朝は9時から10時までの1時間、夜は18時30分から20時30分までの2時間だ。

貸し切りで混雑知らずの水族館ツアーが楽しめる(同社ホームページより)

朝は50人以上で貸し切りが可能で、1人当り2200円だ。総額では11万円からとなる。一方、夜は100人まで24万円の一律料金。100人を超える場合は1人当り2400円の追加料金が必要。高校生までは割引料金が適用される。

水族館では新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)も、貸し切りが可能だ。相模湾ゾーン(相模湾大水槽前)、クラゲファンタジーホール、イルカショースタジアム、オーシャンデッキ、湘南お祭り広場などを利用できる。食事・フリードリンク付きで総額143万円から。100人を超える場合は1人当り1万4300円の追加料金がかかる。


食堂車や鉄道博物館で貸し切りイベントを

鉄道など公共交通機関の貸し切りは定番で、東京都交通局の都電荒川線(片道1万3820円)や千葉都市モノレール(区間により1万1900円から1万8200円まで)など多くの路線で貸し切りが可能だ。ユニークなのは食堂車の貸し切り。

かつては全国の特急列車や新幹線に食堂車が連結されていたが、定期路線では姿を消している。「食堂車に乗ったことが一度もない」人もいるだろう。今ではめったに乗車できない食堂車を、貸し切りにできるのが西武鉄道。西武新宿駅〜西武秩父駅間で、旅するレストラン「52席の至福」を貸し切り、月替りのコース料理が楽しめる。総額料金は片道90万円から、往復130万円から。ウェディングパーティープランもある(料金は問合せ)。

「52席の至福」の2号車オープンダイニング(同社ホームページより)

鉄道関連の博物館も貸し切りできる。JR東海の「リニア・鉄道館」(名古屋市港区)では、閉館後の18時から20時まで2時間の貸し切りが可能だ。パーティーや記念式典、懇談会などに利用でき、500人までが70万円。500人を超えると1人当り800円の追加料金がかかる。延長も可能で、料金は30分につき10万円。


無人島を独り占め!

鉄道で旅に出たなら、宿も貸し切りにしたいもの。スケールの大きい宿では、宇野港(岡山県玉野市)から船で30分ほどの沖合に浮かぶ無人島「くじら島」(正式名称は堅場島)を貸し切りにできるプランがある。島全体が宇野港土地(岡山県玉野市)が運営する1日1組限定のキャンプ場で、貸し切りプランしかない宿泊施設だ。

くじら島は面積0.12平方km、標高45mで、くじらのように見えるのが通称の由来。旧石器時代から古墳時代にかけての遺跡が発見されており、近世まで人が居住していた形跡が残っている。1990年と1995年の国勢調査では人口2名の有人島だった。

最大収容人数は80人程度。バス・トイレに空調、薪ストーブを設置したコテージや、ベッドと家具を備えたグランピングテント、通常のテントで宿泊する。テント泊客向けに温水シャワールームやウォシュレット付き水洗トイレを完備しており、快適なキャンプ体験ができる。

瀬戸内海に浮かぶ「くじら島」を丸ごと貸し切る(同社ホームページより)

宿泊料金はコテージ・グランピングプラン(夕朝食・アクティビティー料金を含む)が、2人利用の場合で1人9万5600円から。総額19万1200円で無人島を貸し切ることができる。10人利用の場合は1人3万9600円からで、人数が多いほど1人当りの利用料金は割安だ。

料金には夕朝食とシーカヤック、SUP、投げ釣り・船釣り、キャンプファイヤー、天体望遠鏡、サンセットクルーズなどのアクティビティー料金が含まれている。


天守閣を貸し切って「お殿様気分」で最高の夜を

予算にゆとりがあるなら、お城を宿として貸し切りできる。全国で唯一、天守閣に宿泊できるNIPPONIA HOTEL 大洲城下町(愛媛県大洲市)が提供する「大洲城キャッスルステイ」がそれ。

2004年に再建されたばかりの新しい天守閣だが、大洲藩作事棟梁だった中村家に残された木組み模型(天守雛形)や明治時代に撮影された外観写真を元に、当時の工法で建てられた本格的な木造天守だ。

国内では江戸時代から残っている「現存天守」(全国12カ所)に次いで貴重な「復原天守」(同5カ所)の一つ。それだけに宿泊料金も1泊2食の2人利用で総額110万円と「お殿様価格」だ。定員は6人で、その場合の総額料金は154万円だ。

本格的な復原天守で宿泊できる大洲城(同社ホームページより)

宿泊料金には松山空港からの送迎や、甲冑に着替えて何十人もの「家臣」たちに出迎えられての入城セレモニー、地元伝来の「山鳥坂鎮縄神楽」の鑑賞、天守閣の夜景を間近に眺めながら入浴やお酒を楽しめるキャッスルラウンジの利用料なども含まれる。

大洲城は一般観光客にも公開されており、貸し切り宿泊は年間30組しか利用できない。外国人旅行客の入国規制が緩和され、海外富裕層の予約が増えるのは間違いなさそう。「大名気分」を味わいたいのなら、お早めの予約をお勧めする。

文:M&A Online編集部

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