11月10日に日本センチュリー交響楽団が来山 「特別演奏会」で名曲を披露

 モーツァルト、チャイコフスキー、ドボルザークの名曲が、日本センチュリー交響楽団(大阪府)によって演奏される「山口市特別演奏会」が、11月10日(木)午後6時半から、山口市民会館(山口市中央2)で開かれる。    

 同楽団首席指揮者の飯森範親がタクトを振り、ソリストは神尾真由子(バイオリン)が務める。演奏曲目は、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲ニ長調作品35」、ドボルザークの「交響曲第9番ホ短調作品95『新世界より』」。    

 同楽団は、大阪府のオーケストラとして1989年に発足し、2011年に公益財団法人日本センチュリー交響楽団として大阪府から独立した。現在は50人のメンバーが在籍し、飯森範親が首席指揮者、秋山和慶がミュージックアドバイザー、久石譲が首席客演指揮者を務めている。また、同楽団の理事長は日本酒「獺祭」の生みの親、旭酒造(岩国市)会長の桜井博志さん。2021年7月に就任した。    

 飯森は、桐朋学園大学指揮科を1986年に卒業後、ベルリンとミュンヘンで研さんを積み、1994年以降は東京交響楽団の専属指揮者、モスクワ放送交響楽団特別客演指揮者、広島交響楽団正指揮者などを歴任してきた。現在は、パシフィックフィルハーモニア東京音楽監督、山形交響楽団桂冠指揮者、東京佼成ウインドオーケストラ首席客演指揮者、中部フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者など、多数の楽団で音楽を作り上げている。 

    

▲首席指揮者:飯森範親

 神尾は、2007年に第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝し、世界中の注目を浴びたバイオリニスト。チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団、ボストン・ポップス・オーケストラ、BBC交響楽団、BBCフィルハーモニック、ブダペスト祝祭管弦楽団、バイエルン州立歌劇場管弦楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団などとも共演。バイオリンは、名器を若手演奏家に貸与し、支援している「宗次コレクション」のストラディヴァリウス(1731年製作)を使用している。大阪府知事賞、京都府知事賞、第13回出光音楽賞、文化庁長官表彰、ホテルオークラ音楽賞はじめ受賞歴多数。

    

▲ソリスト(バイオリン):神尾真由子

 入場チケットはS席3000円でA席2000円(全席指定)。学生は各半額になる。同館、YCAM、山口井筒屋、三好屋レコード店、アスピラート、宇部市文化会館、チケットぴあ(Pコード:222-809)、ローソンチケット(Lコード:63422)で購入できる。未就学児の入場は不可で、託児サービス(1人目700円、2人目以降500円)の利用は、11月3日(木・祝)までに同館(TEL083-923-1000)へ申し込む。    

 「オーケストラ・キャラバン」と題された今回の公演は、文化庁の「統括団体によるアートキャラバン事業(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業)」により開催される。オーケストラだけでなく、オペラ、バレエ、演劇、能、ポップス、文化施設等の関係団体が力を合わせ、コロナ禍での萎縮を乗り越えようと、全国各地でさまざまな催しが開かれる中の一つだ。そのため、入場料は大阪府での同楽団定期演奏会の半額程度と低く抑えられている。         

 「遠出をせずともオーケストラを鑑賞できる貴重な機会。料金も格安なので、ぜひ本物の演奏をライブで堪能してほしい」と、同館主任の西村真治さんは呼びかけている。

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