「百年建築」の特性学ぶ 百年料亭宇喜世と浄興寺本堂など 技術と歴史を解説 新しい文化コンテンツへ

 国や市の登録、指定文化財である上越市高田地区の「百年建築」を学ぶ研修会が23日から始まった。観光庁の地域独自の観光資源を活用した看板商品創出事業の指定を受け、上越市など関係5団体でつくる「上越文化財観光促進協議会」の主催で、11月20日まで全5回。
 見学するコースは百年料亭宇喜世(仲町3)、浄興寺(寺町2)、高田世界館(本町6)、高田まちかど交流館(旧第四銀行高田支店、本町3)、旧師団長官舎(大町2)の5施設。同協議会事務局によると、新しい文化観光コンテンツを作って商品として継続させ、地域活性化につなげる狙いがあるという。
 5施設の改修などに関わった「アトリエ雁木」(歴史的建造物保存修復研究室)の清水恵一さん(73)が案内役の講師を務める。建築関係者や一般ら計113人が参加を申し込んでいる。初日のこの日は15人が参加した。
 宇喜世では各部屋ごとに清水さんによる詳しい建物の特性の解説がなされ、「建築年代は昭和13年の改修でほぼ現在の姿になったと思われる。調書の日付から1881年、明治中期ごろには創建されたと考えられる」と紹介した。
 参加した大嶋圭介さん(48)は田中産業建築部の技術者3人で参加し、「清水さんの説明により、今まで知らなかった建築の歴史が分かった。新しい知識を取り入れ、とても勉強になった」と有意義な様子で話していた。

約36×8メートルある宇喜世大広間を見学。天井板には春夏秋冬、花草の絵が描かれており、参加者も思わず「すてき」
1679(延宝7)年に建てられた浄興寺本堂を見学。2003年12月まで8年超をかけて修復された

◇伝統芸能と会席料理は参加可能
 研修会の参加受け付けは締め切られたが、もう一つの観光庁の事業、文化財「百年建築」で伝統芸能観賞と会席料理「千年御膳」「地酒」を楽しむ事業は今月29日、11月13日分で参加申し込みを受け付けている。伝統芸能は無形民俗文化財、名立区の「折平の獅子舞」。問い合わせは会場でもある宇喜世(電025・524・2217)へ。

© 株式会社上越タイムス社