周囲の喧噪(けんそう)を背にした戦いがひとまずは終わった。球界に偉大な記録と記憶を残した清原和博さんの次男、慶応の勝児。「注目されるのは分かっているし、比べられることもある。でも自分は自分。自分らしいプレーを」と落ち着いて秋の関東を戦い抜いた。
無安打に終わったが、表情には充実感がのぞいた。0―2の六回2死二、三塁。2球目はボールの判定も、右のつま先をわずかにかすめた。アピールが認められて満塁とし、次の安達英の同点打につながった。「チームのため。ヒットと一緒なので」と胸を張る。
さらに一、三塁から重盗のサインに応え、一時は勝ち越しとなるホームを踏んだ。「本当にチームのためにできて、とてもうれしかった」。仲間を思う言葉を繰り返す清原は「ジュニア」ではなく「慶応の清原」としてのプレーに徹した。