地籍調査推進図る 推進委発足 年末まで署名活動 上越地域測量業界

 上越地域の測量関係事業所など22社で構成する「上越地区地籍調査推進委員会」(委員長・佐治力新潟県上越国土測量社長)がこのほど発足した。年末まで、地籍調査の認知度向上・啓発などを目的に署名活動を展開。上越3市や県への提出を目指す。
 地籍調査は、土地の地目(用途)、境界、面積、所有者などを調べるもの。昭和26年に制定された「国土調査法」に基づき、地方公共団体が中心となって実施している。令和3年度末における県内の進ちょく率は35・2%。うち上越地域は上越市が30・6%、糸魚川市が3・8%、妙高市が5・9%と県平均を下回り、上越市に至っては現在事業を休止している状況だという。

「署名活動のための地籍調査説明会」には約40人が出席。佐治会長があいさつした

 同委員会は地籍調査の早期完成を目的とする啓発組織。春から準備を進め、10月に設立総会を開き発足した。同月31日には委員を対象に署名活動へ向けた説明会を実施。千葉県の同調査推進委員会に関わった石塚修氏(コーケン取締役会長)が講師を務め、「地籍調査で未来を拓く」と題して講演した。
 石塚氏は同調査の推進に伴い、測量業者は「事業量の拡大」、不動産業者は「仲介など人件費の大幅な削減」、土地所有者は「分筆登記の負担軽減」や「資産管理が自前でできる」など、それぞれにメリットがあると説き、委員らへ「署名活動を通じて市民へ測量業界の本気度を示してほしい」と呼び掛けた。
 署名は委員関係者の他、各種イベントや主催イベントなどの来場者へ募る。目標署名数は1万筆。佐治会長は「上越市の地籍調査事業を2030年までに完成させるという目標を胸に、市民のため、業界のために一丸となって取り組みたい」と述べた。

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