7市長選挙で敗北した「オール沖縄」は苦境?沖縄の選挙の特殊性とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。

2022年11月2日に公開された動画のテーマは……「オール沖縄」は苦境?7市長選で敗北、「オール沖縄」の現状と課題とは?

ゲストにフリージャーナリストの畠山理仁氏をお招きし、那覇市長選で敗北を喫した「オール沖縄」勢力の温度感や今後について伺いました。

【このトピックのポイント】

・「オール沖縄」は知事選では勝利するも、県内7市長選では自公候補に敗北。オール沖縄勢力の課題は?

・有権者にとっては基地問題より足元の経済問題が喫緊で重要な課題である一方、選挙戦ではメディアをはじめ基地問題を争点として取り上げる傾向が強くなっているギャップがある

「オール沖縄」那覇市長選に敗北、7市長選を全敗。一方県知事選には勝利。経済対策が課題?

沖縄の選挙イヤーの最後を締めくくる那覇市長選で自公が推薦する知念氏が勝利し、7市長選はすべて自公が勝利する結果となりました。一方、県知事選は玉城デニーさんが率いる「オール沖縄」が勝利。このギャップはどこにあるのでしょうか。

畠山氏は、「玉城デニーさんの人気が根強い」としながら、那覇市長選挙の前に行われた豊見城市長選挙でオール沖縄側が擁した現職が敗北、そのショックを引きずりつつの那覇市長選挙では告示前に現市長が知念氏を支持するという大きな動きがあり、オール沖縄が一気に選挙からの勝ちを遠ざけることを決定づけてしまったと指摘。

MC鈴木は、全国的に自民党の支持率が厳しい現在、支持率低下は一般的地域の選挙にも影響するのに自民が沖縄の首長戦を全勝したことを指摘、「見方によると、オール沖縄は相当大変な状況なのだろうか?」と疑問をはさみます。

畠山氏は、自民党が「国と関係をちゃんとすることで沖縄の経済が復活する」ということをどの選挙でも訴え続けてきたことが効いてきているとし、現地取材で、有権者が自公候補者に投票する大きな動機として、新しい基地ができてほしくないとは思うけれど、沖縄の未来を次の世代につなぐには、今の生活をちゃんとしてもらわないと困るという気持ちがあったことを示しました。

その背景には、直近2年間、コロナ禍で沖縄は経済的に大打撃を受け、有権者が重視する争点として、依然基地も大きいけれど経済や生活の比重が重くなっていることがあります。

県民投票で基地問題には反対するという意識は明らかにしたけれども、辺野古新基地の工事は止まらないし、進んでいることへの諦め、県への予算が玉城知事時代に減ってきていることから経済問題がより大きな焦点になりつつあると示唆、「腹八分、腹六分で団結することで始まったオール沖縄が、腹六分ではお腹が減ってきてしまっているのでは」と指摘しました。

辺野古移設計画をめぐって生まれた「オール沖縄」今後の課題は?

「オール沖縄」のあり方について畠山氏は、住民に「基地には反対だというところは県民みんな持っているけれど、住んでいる自治体ということになると、その市民としての考えを重視した投票行動を取るのはある意味しかたない」という考えがある点を示唆します。

知念新市長が、元那覇市長の翁長氏が沖縄県内の首長に呼びかけ、全員署名して国に対して訴えた活動についての質問に対し「まずは那覇市長として仕事をしっかりしたい。各首長への取りまとめをやるには実績があった上でのこと。自分はまだ当選が決まったばかり、優先順位としてはまだ先の話」とし、自身が思う新基地建設に対しての考えは明言しなかったことに触れ、城間前市長から後継指名は受けているけれど、知念新市長はオール沖縄としての辺野古新基地建設反対を引き継いでいないとにらみました。

一方で国政与党系の首長は「チーム沖縄」を作って、知念氏も加わって沖縄の経済振興をやっていくと宣言する中、沖縄の多くの方々が求めているのは自分たちの生活の安定や所得の向上であることから、オール沖縄がそれに対抗し、実際に首長をとっているひとに勝つための政策を強く打ち出せるかがポイントになると述べました。

「経済政策や生活支援について、国との連携でお金を引っ張ってくると言う論理だと思うが、そうでない経済分野の政策を打ち出せるか?」というMC鈴木の疑問に対し、畠山氏は、基地問題以外で多様な意見を持つオール沖縄がまとまることの難しさを予見しながら、メディアを含め、沖縄の選挙となると基地問題を最初に足かせとしてはめられてしまっている現状に目を向け、実際に苦しんでいる経済問題が争点になりにくいことのギャップが沖縄の選挙にあることを解説しました。

参加する人が楽しそうに、一生懸命参加する沖縄の「熱い」選挙

沖縄の選挙の特殊性を伝えながらも、最後に畠山氏が沖縄の選挙戦の様子を「アメリカのように自分たちの意見を一生懸命表明する素地が沖縄にはあると振り返ります。那覇市は都市なので、県内の他の自治体に比べ投票率は低いとはいえ、全国から応援に入ってくるし、よそからの応援を受けながらも非常に盛り上がるのが沖縄の選挙であり「見にいく者としてはおもしろい、熱い選挙」としめくくりました。

動画本編はこちら!

畠山氏が「オール沖縄」と沖縄の選挙の特殊性を語る!オール沖縄の今後は?

選挙ドットコムちゃんねるは毎週火・水・木・金曜日の21時公開!

ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!

© 選挙ドットコム株式会社