ヒスイ 晴れて「新潟県の石」に 糸魚川市で記念式典 関係者・市民約300人 喜び共有し決意新た

 糸魚川地域の誇る自然・文化資源「ヒスイ」が11月4日、「新潟県の石」に指定された。「ヒスイ県石指定記念式典」が同日、糸魚川市の青海総合文化会館きららホールで執り行われた。糸魚川市とヒスイ県石指定記念事業実行委員会(実行委員長・米田徹市長)、翡翠(ひすい)を新潟県の石にする会(髙瀬吉洋会長)などの共催で実施。関係者、一般市民、青海小の児童ら約300人が参集し、くす玉割りなどで喜び合った。

くす玉割りでヒスイの「新潟県の石」指定を喜び合う出席者

 来賓として花角英世知事、高鳥修一衆院議員・ジオパークによる地域活性化推進議員連盟議員(代理)、梅谷守衆院議員(同)、小島隆県議会議長(同)が出席、祝辞を述べた。

 指定に当たっては、2020年3月7日に発足した民間団体・翡翠を新潟県の石にする会が、署名活動を展開してきた。新型コロナウイルス感染症の影響で当初予定より1年遅れたものの、4万2892筆を集め、県議会に請願を提出。請願採択、検討委員会の指定提言などを経て同日、「県の石」になった。
 式辞で米田市長は、同会をはじめ大勢の尽力、協力に感謝し、糸魚川ユネスコ世界ジオパークとして、ユネスコ発足の日に指定された意義などに言及。未来に持続可能な利活用など、「ジオパークの理念である保護保全、教育、地域振興につなげたい」とあらためて決意を述べ、市民、県民の理解、協力を願った。
 髙瀬会長は、コロナ禍で悪戦苦闘した活動経過を振り返り、署名と活動に関わった全ての人に感謝。「糸魚川の宝が新潟県の宝となる、きょうがスタート。今後とも皆さんからのご支援、ご協力を」と呼び掛けた。

祝辞を述べる花角知事

 来賓祝辞で花角知事は、糸魚川のヒスイが有する「物語」をたたえ「県内はもとより国内外の方に魅力を発信し、交流人口の拡大につなげたい」と展望。既存の県公式シンボル、チューリップ、トキ、ユキツバキ、雪割草、錦鯉とともにPRに意欲を示した。

 引き続き、フォッサマグナミュージアムの小河原孝彦学芸員によるミニ講演会「ヒスイの価値と人とのかかわり」が行われた。

ミニ講演を行う小河原学芸員

 ヒスイ王国館では同日夜、約30人が出席し記念祝賀会が催された。市民会館と県庁、県糸魚川地域振興局に指定を祝う懸垂幕、横断幕が掲げられた。

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