【野球】9回表に吉川の一発で勝ち越しも、1点を守りきれず敗戦… 優勝が一歩遠のく 早大①

11月5日(土)東京六大学野球秋季リーグ戦 早大1回戦 @明治神宮野球場

早慶戦での勝ち点獲得が優勝への条件である慶大は、1回裏にエースの増居翔太(総4・彦根東)が先頭の熊田任洋(スポ3・東邦)から先頭打者本塁打を浴びると6回裏には早大の4番・蛭間拓哉(スポ4・浦和学院)にバックスクリーンへの特大2点本塁打を許し、点差を3に広げられる。しかし、8回に先頭代打の本間颯太朗(総2・慶應)が内野安打で出塁すると、主将の下山悠介(商4・慶應)の適時打で1点を返す。その後、チャンスを広げ2死一、三塁とすると、山本晃大(総4・浦和学院)の2点適時打で同点とし、9回には吉川海斗(法3・慶應)の本塁打で勝ち越しに成功し、先勝への望みをつなぐ。しかし、その裏、8回から登板した橋本達弥(環4・長田)が9回裏に満塁のピンチを招くと、最後はサヨナラ打を浴び、敗戦を喫した。

1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
慶大	0	0	0	0	0	0	0	3	1	4
早大	1	0	0	0	0	2	0	0	2X	5

慶大バッテリー:増居、●橋本達-宮崎

早大バッテリー:加藤、○原-印出

慶大本塁打:吉川1号ソロ(9回勝ち越し・原)

早大本塁打:熊田3号ソロ(1回先頭・増居)、蛭間1号2ラン(6回・増居)

◆慶大出場選手

打順	守備位置	名前(学部学年・出身校)
1	[6]	朝日晴人(環4・彦根東)
6	斎藤快太(商2・前橋)
2	[5]	下山悠介(商4・慶應)
3	[3]	廣瀬隆太(商3・慶應)
4	[8]	萩尾匡也(環4・文徳)
5	[9]	山本晃大(総4・浦和学院)
6	[4]	古川智也(環4・広島新庄)
7	[7]	宮尾将(商4・慶應)
1	橋本達弥(環4・長田)
8	[2]	宮崎恭輔(環3・國學院久我山)
9	[1]	増居翔太(総4・彦根東)
H	本間颯太朗(総2・慶應)
R	古野幹(理2・岸和田)
7	吉川海斗(法3・慶應)

慶大は勝ち点獲得で2季ぶりの優勝が決まるこのカードは、これまでさまざまなドラマが生まれた“華の早慶戦”ということもあり、普段のリーグ戦とは異なる異様な雰囲気を放っていた。その予感は的中し、1回裏、エースの増居が早大の先頭の熊田に本塁打を浴び、先制点を献上する。慶大は直後の2回表に萩尾匡也(環4・文徳)が四球で出塁し、盗塁や相手のミスで1死三塁のチャンスを作るも、先発の加藤孝太郎(人間3・下妻一)の前に後続の古川智也(環4・広島新庄)は見逃し三振、宮尾将(商4・慶應)は捕飛に倒れ得点とはならなかった。さらに3回にも2死一、三塁の好機を迎えるが、三遊間の深いところに飛んだ廣瀬隆太(商3・慶應)の打球は、山縣秀(商2・早大学院)の好送球に阻まれ1塁はアウトに。度々のチャンスは訪れるも、得点には繋がらなかった。

古川が2安打の活躍で好機を広げた

その後ヒットや廣瀬や萩尾のフェンスギリギリの打球は出るものの、流れを掴みきれずにいる慶大。その中で6回には早大の4番・蛭間拓哉からバックスクリーンへの2点本塁打を浴び、点差を3点に広げられ、一層苦しい展開となった。しかし、8回表増居の代打で登場した本間がしぶとく内野安打で出塁すると、1死一塁の場面で主将の下山が左中間への適時二塁打を放ち、1点を返すことに成功する。さらに、廣瀬が中安打で追加点のチャンスを広げると、山本がバットを折りながら左翼へ2点適時打を放ち、1イニング一挙3得点で試合を振り出しに戻した。その裏から登板した橋本は、蛭間に3塁打を打たれながらも無失点でこの回を切り抜け、勝ち越しへの流れを呼び込む。

早慶戦男の蛭間をなかなか止められない…

9回表、前の回の守備から途中出場をした吉川が、その期待に応えるようにリーグ戦初となる本塁打を放ち、この試合初めての勝ち越しに成功する。迎えた9回裏、1点のリードを守り切りたい慶大は、橋本を8回に引き続きマウンドに送る。しかし、ボールが先行する橋本は先頭の吉納翼(スポ2・東邦)に二塁を抜ける安打を許し、先頭ランナーを出してしまう。その後犠打で1死二塁とされると、山縣の内野安打、代打の森田朝陽(社会3・高岡商)への死球で満塁のサヨナラのピンチを招く。その後、先制本塁打を許した熊田のライナー性の打球を斎藤快太(商2・前橋)が好捕し、勝利まで残り1死とする。しかし、続く打者の松木大芽(スポ4・金沢泉丘)が放った打球は二塁手と右翼手の間に落下し、その間に2人の走者が生還。優勝決定に向けたカードの一戦目は、敗戦となった。

橋本達も最後はワセダの粘りに屈した

2季ぶりのリーグ戦優勝がかかったカードでの初戦を落とした慶大。現在防御率リーグ1位の加藤の前に終盤まで得点を取れなかったこと、さらに早慶戦において一番打たれたくない相手である4番の蛭間に本塁打を浴びるなど試合展開としても圧倒的劣勢だったといえる。しかし、その中で8回・9回で見せた粘りは、ここまで優勝争いを続けるの慶大の野球を言い表すにふさわしい姿だっただろう。慶大はこのまま2連敗で終わるはずはない。2戦目、3戦目で勝利しリーグ戦優勝、そして昨年果たせなかった明治神宮大会優勝を成し遂げてもらいたいところだ。

(記事:北村可奈、写真:佐藤光)

◆選手コメント

下山悠介主将(商4・慶應)

早稲田大学さんの粘り強さを感じました。初戦を落としてしまいましたが、内容はこの後の試合に必ず生きてくるものでした。
今日の敗戦を糧にチームとして成長し、明日は必ず勝利します。
応援のほど、よろしくお願いいたします!

2安打1打点で好調ぶりを見せつけた

山本晃大選手(総4・浦和学院)

ご声援ありがとうございました。
明日勝つ為に、しっかり準備していきます!

バットを折りながらの同点打を放った

吉川海斗選手(法3・慶應)

この大舞台で野球ができることが、改めて幸せなことだと感じました。今日は負けてしまいましたが、今日の敗戦があったから優勝できたと言えるように、チーム一丸となって戦い抜きます。応援のほど、よろしくお願い致します!

リーグ戦初本塁打で一時勝ち越した

◆打撃成績

1	2	3	4	5	6	7	8	9
1	[6]	朝日	投ゴロ	投安	見三振	中飛	左飛
6	斎藤快
2	[5]	下山	中飛	中安	二ゴロ	左中2①	投ゴロ
3	[3]	廣瀬	空三振	遊ゴロ	中飛	中安
4	[8]	萩尾	四球	三飛	右飛	空三振
5	[9]	山本	空三振	右飛	左安	中安②
6	[4]	古川	見三振	右安	三ゴロ	右安
7	[7]	宮尾	捕飛	右飛	一ゴロ	空三振
1	橋本達
8	[2]	宮崎	遊飛	二飛	遊ゴロ	空三振
9	[1]	増居	空三振	左邪飛
H	本間	遊安
R	古野
7	吉川	右本①

◆投手成績

投球回数	打者数	球数	安打	三振	四死球	失点	自責
増居	7	28	116	7	4	0	3	3
橋本達	1 2/3	10	43	4	2	1	2	2

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