本神輿、50年ぶりに巡行 横浜・磯子区の上中里神社 担ぎ手不足で半世紀休眠 地域住民の絆再び

本神輿と子どもたち=横浜市磯子区上中里町

 横浜市磯子区上中里町の上中里神社に眠っていた本神輿(みこし)が6日、50年ぶりに巡行した。新型コロナウイルス禍や少子高齢化で疎遠になりがちな地域住民の絆を深めようと、上中里町内会(田邊実会長)が企画。老朽化のため担がずに軽トラックに乗せ、子ども神輿やお囃子(はやし)とともに町内に繰り出した。

 上中里地区はかつて近隣の氷取沢、峰、栗木など5地区と合わせて「六ケ町」と呼ばれ、それぞれに鎮守の神社がある。本神輿は約90年前に各神社に1基ずつ奉納され祭りで担がれてきたが、上中里神社では担ぎ手不足などで50年前から表に出ていなかった。

 この日は青空の下、3年ぶりの開催となった子ども神輿のパレードに合わせ、高さ約1.5メートルの本神輿が半世紀ぶりに町内に登場。小中学生や保護者ら約250人が列をなし、「わっしょい」とかけ声を上げながら約2時間にわたって町内を練り歩いた。

 50年前に本神輿が巡行した様子を見たという同町内会の國井敏夫副会長(74)は「当時の情景がよみがえってくる」と感無量の様子。市立さわの里小4年の女児(9)は「自分が生まれるずっと前の神輿があったなんて知らなかった」と驚いていた。

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