健康志向高まり、水産練り製品活況 「良質なタンパク質」 市場縮小もコロナ禍で回復

長友選手を起用した「魚肉たんぱく同盟」のPR画像

 新型コロナウイルス禍で、かまぼこやちくわなどの水産練り製品業界が活況だ。これまで市場は縮小傾向にあったものの、健康志向の高まりに伴い、「良質なタンパク質」として、改めて注目されるようになったからだ。県内外のメーカーは、新商品の開発やPRに注力。さらなる需要拡大を図っている。

 農林水産省のデータによると、水産練り製品の国内生産量は1970年代をピークに、その後は徐々に減少。最盛期は年間100万トンを超えていたが、2020年には過去最低の47万3千トンに落ち込んだ。しかし、21年は前年比5%増の49万4千トンに回復している。

 背景の一つとされるのが、コロナ禍の自粛生活による“コロナ太り”を気にする人が増えたこと。筋肉量の維持やアップに欠かせない栄養素として、タンパク質が脚光を浴びるようになったという。

 タンパク質を手軽に摂取できる栄養補助食品・プロテインの市場も急拡大。調査会社の富士経済(東京都)によると、プロテインパウダーの20年の市場規模は前年比16.4%増の817億円で、26年には1500億円に成長すると見込まれている。

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